講談社文芸文庫<br> 旅の話・犬の夢

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講談社文芸文庫
旅の話・犬の夢

  • 著者名:江藤淳【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 講談社(2021/02発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062902526

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内容説明

若き文学者・江藤淳のほとばしる好奇心、躍動する批評精神。旅先での思索、愛犬との日常――ロンドンでターナーと漱石の内的現実について考え、ドイツで音楽生活の厚みと欧州人の厳格な孤独に触れ、ウィーン国立歌劇場の爛熟と洗練を極めたオペラに酔い、アメリカで世阿弥を読み自己の核心を支えるものを発見し、東京で愛犬ダーキイを傍らに思索を重ね執筆する。著者が20代後半から30代にかけて、横溢する好奇心と旺盛な行動力、躍動する批判精神で綴った、随筆集の名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミスター

4
鼻持ちならないがこの鼻持ちならなさこそ江藤淳が江藤淳たる所以である。江藤淳は悲劇に甘えることをもっとも拒否していて、このことをよく表しているのは太宰治評である。江藤は太宰治に一定の共感を覚えながら、違和感を表明している。江藤は「敗戦後」の「ホロビ」を満喫することができなかった。なぜなら「ホロビ」を許すことのできない屈辱を覚えたからだ。ここで言われている屈辱は明らかに他人にとってはどうでもいいものかもしれない。しかし他人にとってはどうでもいい私情にそれを超えた大きなものを見出すことこそ文学なのではあるまいか2020/08/14

nakagawa

4
江藤淳氏の本を読んだのはこれで2冊目。以前はGHQの検閲などを書いた本であったがこの本は随筆集。ヨーロッパやニューヨーク、ウィーン、ロンドンなどの旅の話と愛犬ダーキイと東京で思索をかねて執筆したものである。少し難しいかと思ったがそのようなことはなく簡潔な文章でとても読みやすい。彼は戦後の高度経済成長、いや1945年の敗戦以降の日本の社会の行き着いた近代の荒廃に気づいていたのではないだろか。学生運動の連中が日本人の子供が怯えていたという所はとても印象に残ったところである。2017/08/01

hirayama46

2
はじめての江藤淳。主に60年代後半に書かれた、タイトル通りの旅と夢の話以外にも、身辺の暮らしの話や、万博などの文化にも触れたエッセイ集。時代性もあって、いま読むとやや偏狭にも感じられるところもありますが、当時から頑固な人だとは思われていそうではあります。森鴎外の書に対する悪口とか、ちょっと言い過ぎじゃないかな……と思いました。戦後と現在の右左派の有り様の違いというは考えていきたいところではあります。2021/08/02

ユウキ

1
2025年の大阪万博はいろいろと話題になっているが、'70年の万博においても江藤淳はその拝金主義的な嫌らしさを白い目で見ていて、丹下健三や岡本太郎に皮肉をぶちまけてるのが面白い。2024/01/08

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