統治の抗争史 - フーコー講義1978-79

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統治の抗争史 - フーコー講義1978-79

  • 著者名:重田園江
  • 価格 ¥7,040(本体¥6,400)
  • 勁草書房(2021/02発売)
  • ポイント 64pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326302710

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内容説明

独特な用語や思考の跳躍にあふれたフーコーの講義を把握するには、読み手もある深さに達する必要がある。講義で言及される文献の読解、概念の研究史の確認を通し、核心的な発言の周囲にその思考が形をなすまでのプロセスを配置、大きな流れと主要概念を理解する。フーコーを「使う」のではなく、より深く「読む」ための必読書。

目次

はじめに─本書はどのような著作なのか

序 章 統治性研究を位置づける
 一 統治の出現経緯をたどる
 二 一九七八年、七九年講義
 三 統治性をめぐるこれまでの研究

第I部 国家理性

第一章 統治、統治術、君主鑑
 一 統治=人の導き
 二 司牧と近代の統治との異同
 三 君主鑑におけるエコノミー
 四 法と統治の対比
 五 統治の対象としての「物事」

第二章 国家理性(一)─国家理性とマキャヴェリ
 一 国家理性という発明品
 二 国家理性研究の現状
 三 フーコーの議論の特徴
 四 国家理性とマキャヴェリ
 五 国家理性論における国家の保守

第三章 国家理性(二)─クーデタと反乱
 一 ノーデのクーデタ
 二 ベイコンの反乱
 三 ベイコンとマキャヴェリの相違
 四 ホッブズの自然状態と内戦について
 五 フーコーの国家理性論の特徴

第四章 「ウェストファリア的秩序」
 一 諸国家の競合
 二 「ウェストファリア神話」
 三 フーコーにおける「ヨーロッパの均衡」
 四 フーコーとタック
 五 力から成る世界

第五章 ポリス論
 一 ポリス論とポリス研究の国際比較
 二 仏独ポリス/ポリツァイ研究
 三 フーコーの視点の特徴
 四 フーコーのポリス論─ポリスとはなにか
 五 ポリスが生み出す対象

第II部 人口

第六章 ポリス、都市、都市計画
 一 ポリスの特権的な場としての都市
 二 都市像の変遷と都市計画urbanisme
 三 ル・メートル『首都論』
 四 人工都市リシュリュー
 五 ナントの改革プラン

第七章 病と衛生
 一 都市の不衛生
 二 癩とペスト(一)─癩
 三 癩とペスト(二)─ペスト
 四 天然痘と接種

第八章 人口の誕生をめぐって(一)
 一 人口をめぐる議論へのアプローチ
 二 接種は正当化されるか
 三 なぜ死亡表が重要か
 四 『死亡表』をめぐる論争
 五 人口学のはじまり

第九章 人口の誕生をめぐって(二)
 一 古代近代論争
 二 人口という語
 三 人口と社会
 四 『人口論』の知
 五 人口学の誕生
 六 人口の衝撃
 七 ヒトという種

第一〇章 確率・統計と人口
 一 統計学とは
 二 確率のはじまり
 三 パスカルの賭け
 四 終身年金、生命保険、死亡表
 五 社会の統計学的概念化

補 章 ベルヌイ─ダランベール問題の迷宮
 一 問題の所在
 二 惑星軌道は神の摂理か
 三 聖ペテルブルクのパラドクス
 四 接種の判断基準
 五 ダランベールの数学観と確率

第III部 エコノミー

第一一章 食糧難と穀物ポリス
 一 環境と人口
 二 食糧難
 三 穀物という主題
 四 穀物ポリス

第一二章 穀物自由化論
 一 自由化をめぐる攻防
 二 アベイユの自由化論
 三 フランス初期経済学と商業の自由
 四 グルネーサークル
 五 チュルゴー対ネッケル

第一三章 フーコーによる自由主義の解釈
 一 人民対人口
 二 人口の自然性(一)─重商主義
 三 人口の自然性(二)─フィジオクラット
 四 人口の自然性(三)─欲望の組み込み
 五 真理の場としての市場

第一四章 ホモ・エコノミクス
 一 ホモ・エコノミクスの思想史
ほか

感想・レビュー

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hakootoko

3
『安全・領土・人口』を丁寧に。2020/08/05

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