寡黙なる饒舌 建築が語る東京秘史 [電子改訂版]

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寡黙なる饒舌 建築が語る東京秘史 [電子改訂版]

  • 著者名:若山滋【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • (株)現代書館(2021/01発売)
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  • ISBN:9784768458839

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内容説明

建築家が語る東京の建物物の歴史と建築家、またそれにまつわる物語を語る。

東京駅が皇居を向いて建設された理由など建築と権力の関係や、明治期に活躍したジョサイア・コンドル(ニコライ堂、帝室博物館、鹿鳴館などを設計)やフランク・ロイド・ライト(東京帝国ホテル、自由学園などを設計)などの外国人建築家とその弟子たちの手による建築物の紹介、そして辰野金吾や安藤忠雄、村野藤吾、篠原一男などの建築家の作風や建築観を詳解する。
軽くするすると読める筆致ではあるものの建築家ならではの鋭い視点が興味深く、知的好奇心を刺激される。建築家・東京大学特別教授 隈研吾氏推薦。

【著者】
若山滋
1947年台湾生まれ。東京工業大学建築学科卒業、同大博士課程修了。工学博士。1974年入社の久米設計を経て名古屋工業大学教授。米国カリフォルニア大学バークレー校、コロンビア大学客員研究員。現在、中京大学客員教授、名古屋工業大学名誉教授。専門は建築学・都市論・文化論。
著書は『建築へ向かう旅』、『組み立てる文化の国』、『「家」と「やど」― 建築からの文化論』、『漱石まちをゆく――建築家になろうとした作家』、『建築家と小説家――近代文学の住まい』『アイドルはどこから』など。

目次

Ⅰ・天皇の街
東京駅――天皇の可視化
第一生命ビル(GHQ)――大屋根の権力・列柱の権力
築地本願寺――日本とギリシャ・快男児たちの気宇壮大
岩崎邸――華麗なる西洋館・その光と陰
ニコライ堂――ビザンティン文化の窓
漱石という建築――赤煉瓦のメランコリー
――戦争は人を生む――

Ⅱ・モダニズムとテロリズム
日本工業倶楽部会館――モダン・アーキテクチャーと團琢磨暗殺
自由学園・明日館――ライトの遺品・自由が輝いていたころ
鳩山一郎邸――政治史に残る友愛と野人の巣
東京ミッドタウン六本木――大名屋敷が「街中街」をつくる
朝香宮邸(東京都庭園美術館)――宮家のアール・デコはモダンの桂離宮
帝室博物館(東京国立博物館)――天皇の家には宝物がない
――「壁と都市」の文化・「屋根と家」の文化――

Ⅲ・槌音ひびく
吉田茂邸――戦後日本の方向を決めた「大磯もうで」
聖アンセルモ目黒教会――ボヘミアンが共鳴した木造文化
国立西洋美術館――巨匠ル・コルビュジエの苦悩と呪縛
東京文化会館――モダニズムに筋をとおす
国立代々木競技場――国家の建築家・丹下健三
パレスサイドビルディング――かつて工業は美であった
――風土と建築と文化の地理学――

Ⅳ・世界の「やど」へ
雷門と日本橋――哀しみの底流・脱自動車都市へ
目黒区役所(旧千代田生命ビル)――村野藤吾・時代遅れが時代を超える
安藤忠雄の「壁」――地球に刻印した男
トッズ表参道店――伊東豊雄・風の建築家
すみだ北斎美術館――北斎の天分・妹島の天分
東京工業大学博物館百年記念館――篠原一男・疾走する孤高
――「家」制度の住まい・「やど」逸脱の住まい――

エピローグ・もう一つの世界都市として

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

82
東京の近代建築史。明治時代に大学で建築を 教えるようになり洋風建築は建築家が和風建築は大工が作るようになりました。建築史の大きな節目は「10-30革命」(1910年から1930年の変化)にあります。ジョサイア・コンドルやその弟子、辰野金吾らに見られる古典主義の装飾性は機能主義の革命的カリスマ、ル・コルビュジエの登場まで続きました。長い神話の時代は実に古代ギリシャ時代から1930年前後まで続いたのです。コルビュジエの弟子たちは日本にモダニズムをもたらしました。2020/10/14

よっし~

6
明治以降、急速な近代化とともに、現在にいたるまで数多くの名建築が集まる東京の名所を紹介しながら、その背景にひろがる文脈を展開する。国際的なモダニズムと伝統としての「和」の融合という日本建築の大きなテーマに対して、それぞれの建築家が表現した解としての建築物を巡る。掲載されている写真が小さいのが残念であるが建物をめぐる文化論として面白く読める一冊。2020/08/28

ミチ

4
日本の首都東京には色々な建物構造物がある。目をひき時代の建築家は知識がなくても知っている人は多く名前は分かる。訪れてみたい場所も随所に有ったので参考にしたい。2023/12/02

あきひと

2
「建築が語る東京秘史」が副題ということで、建築が言葉にも文字にもならない無意識の真実を語る、東京の深い記憶を探るというもの。書の中では戦前から最新まで、著名な建築家の手に拠る建築、素人が知らないような建築がそれを語っているように論評されていて興味深かった。これまで普通でない建築を見て、突っ込んで調べたことはなかったので、少し見方が変わるかも。2020/09/24

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