内容説明
多言語を学ぶからこそ見えてくる語学の面白さを伝える、ユーモアたっぷりの描き下ろしエッセイ。
NHKテレビ「ロシア語会話」講師を務めたロシア語学者が英語教師に驚異の転職! 英露をはじめとして多くの外国語を学んだ言語学者が、語学の魅力をユーモアいっぱいに綴った書き下ろしエッセイ。多言語を学ぶからこそ見えてくる語学の面白さを伝える。
【著者】
黒田龍之助
1964年、東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。東京大学大学院修了。スラヴ語学専攻。NHKロシア語講座の講師としてテレビ・ラジオに出演。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』『その他の外国語』『ロシア語の余白』『チェコ語の隙間』『ロシア語だけの青春』(以上、現代書館)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ポケットに外国語を』(ちくま文庫)等多数。
目次
はじめに
第一章 三十三文字の日常
第二章 二十二の不仕合せ
第三章 海外旅行会話十一の法則
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
48
黒田先生の、言語学にまつわる小話をまとめたエッセイ本。ユーモアに包まれて読んでいて楽しい。日本人的な考え、言語は一個ずつ極めようとか、そういった真面目さを一端忘れて、興味の向くままやってみては?という普通とは逆の語り口が面白い。先生はスラブ語が専門の様だ。漢字の美しさにとりつかれる外国人もいるが、外国語の美しさにとりつかれる日本人もいるのだろう。
むくいぬ
24
スラブ語学者で言語学者の黒田先生のエッセイです。とても楽しい本でした。いわゆる主流と言われる、英語、フランス語など誰もが学びたがる言語と対極に、ウクライナ語やベラルーシ語の様な日陰になりがちな言語を研究する作者さんが、日々感じたことをまとめた本です。専門的な話よりも、体験談が中心で、とても入りやすいし為にもなりました。2020/10/10
下町ロコモーティブ
15
*ロシア語、ウクライナ語、べラルーシ語などの、「その他の外国語」を愛する作者のエッセイ。現在は超メジャーな英語の教師もしている由、決して偉ぶらない書き様であるが、背景に強烈な自信を感じさせる。「この本は、孤独な中で外国語を勉強している人への、ちょっとした差し入れと考えてほしい。」 どの分野でもその道を究めた人の言う事はとっても奥が深い。2017/01/11
サラダ
12
「その他の外国語」と一括りにされてしまう日本人学習者の少ない言語(マイナー言語)を中心とした語学にまつわるエッセイです。副題に「役に立たない語学のはなし」とあるようにこれを読んだからと言って語学が上達する訳ではありません。しかしマイナー言語が好きな私には、スラブ諸語を留学せずに読書を重視しながら習得した黒田龍之助さんの姿勢にとても勇気付けられました。来年はミャンマー語、ロシア語、アラビア語どれにしようか悩み初めています。2018/12/28
ヨータン
10
この先生の本読むといろんな言語勉強したくなるし、自分の気の向くまま好きなように勉強していいんだなと思えます。奥さんも言語学者でお二人で海外の書店巡りをしたりとか楽しそうだなと思いました。2022/02/07