内容説明
世界的ベストセラー『自閉症の僕が跳びはねる理由』の著者、書き下ろし。会話ができない自閉症作家による、視点を変えることで、悩みが悩みでなくなるための考え方。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりん
25
悩みを解消するために視点を変えよう。著者は重度自閉症だが、すべての人に通じる解決するための思考がテーマ別に書いてある。意見を言ったあと後悔することもあるが、言いたいことを言わなかった後悔より大きい。でも挽回のチャンスはある。相性で自分に合う、合わない人という区別をやめる。今日のこの人はこんな人、ただそれだけのことと思おう。2022/05/14
Natsuko
21
東田さん6冊目。本作品は1番読み方や感想表現が難しい。今までは、無意識に「自閉症という障害を持ちながら思いを表現できてすごい」と感じてきたように思う。意味不明な言葉は脳が勝手に再生ボタンを押す、フラッシュバックという名の魔物の恐怖について等、当事者でないと書けないリアルがある。ただ、本作は自閉症を取り払い、一人の中年女性が一人の若者のエッセイとして読んだ部分が多く、そうなると生き方指南としては浅いと思える部分もあった。プロの作家としてのハードルで読んだ初作品なのかもしれない。2021/12/12
きいみ
18
13歳の時に執筆された「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」に出会ってからずっと気になり追っている東田さん。視点をちょっと変えることでいつもの景色が輝くという43の言葉に前向きになれる。 「今日という日に感謝し明日を心待ちに出来る」…それが元気に生きること。2021/09/19
くるぶしふくらはぎ
17
帯にある「見方を変えるだけで悩みは悩みでなくなる!」である通りではあるけれど、筆者は「悩み」は必要と捉えているように思う。悩む時間も自分の時間、自分の時間を自分のために使うこと、自分のためとは人のために使う時間と異議ではなく時に同意の言葉にもなること。「幸せ」は「なる」ものではなく「感じる」こと。様々な言葉に、考えさせられ、また気持ちが楽に、心の深呼吸ができた。間に挟まれた童話も素敵です。2023/10/15
aisapia
12
なんて深い話を書くのかと感心してしまう。弟より重度なのに信じられないと思ってしまったり。悩みがない、悩んだことがないと言う人は悩むより先に自分なりの対処法を知っていて実行しているから。心が満たされないと思う人は、足りないものが何か、本当に望んでいるものは何かを観察していない人。幸せは幻のようなもの、"なる"ものではなく"感じる"もの。などなど色々な小話が載っていますが、すべてのお話が前向きな気持ちにさせてくれる温かい本です。前を向けない時に背中を押してくれそうな気がします。2022/03/10