理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!

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理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!

  • 著者名:西浦博【著】/川端裕人【聞き手】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 中央公論新社(2020/12発売)
  • 中央公論新社 GW特大フェア ポイント40倍!(~5/12)
  • ポイント 640pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784120053597

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内容説明

2019年大晦日。西浦博は、武漢で未知のウイルスが流行の兆し、との情報をキャッチする。1月16日には日本で最初の症例が確定。急遽、北海道から東京へ向かうこととなる。のちにクラスター対策班につながる初動であり、6ヵ月にわたる予想もしない日々の始まりだった。
厚生労働省クラスター対策班でデータ分析に従事し、「8割おじさん」と呼ばれた数理モデルの第一人者が、新型コロナ対策の舞台裏で繰り広げられた政治との格闘、サイエンス・コミュニケーションの葛藤と苦悩、科学者たちの連帯と絆まで、熱い本音を語った奮闘の記録。
(以下、本文より)
・・・川名先生から、ぽんとメールが届いたんです。僕が頑張っているのを川名先生は分かっているし支持していると。そして「西浦さんが発信する情報は専門家会議のクレジットですから」とまでおっしゃってくれました。つらい時には1人このメールを見て泣いたこともあります。
 僕自身が折れると終わりだから、科学者は勇気を持って科学的事実を正確に伝えるのが間違っていないのなら、頑張らないといけないし、これはまだ第一波だから序の口だと思って、継続して頑張ってみようと、心新たにできました。感染症の数理モデルで定量的なものだったら、あるいは、データ分析をさせたら、日本では自分の右に出る者はいないだろうと自分自身を鼓舞します。ニコニコ生放送で何万人というような人が参加する中でプレゼンをするわけですが、自信を持ってやろうと決意しました。僕がこけると、感染症数理モデルをやっている同志や研究室の弟子たちがこける。僕がここで敗けたり折れたりするわけにはいかないのです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

105
疫学者であり、唯一の数理モデルの使い手である筆者の、新型コロナ第一波からGW明けまでのドキュメンタリー。読んでいる間ずっと胸が痛かった。誰も経験したことが無い新興感染症。何を言おうと叩かれることが分かっている仕事に敢えて挑む。挙句、政治家にうまく責任を押し付けられてしまったり、正しい数字を厚労省が伝えてくれなかったりと泣きたいような日々が続く。それでも折れないメンタルの強さに驚愕。今後、経済や社会保障の専門家も加えて、政治家が優秀な研究者とうまく協調して欲しい。そして矢面には是非政治家が立って欲しい。2021/02/02

えちぜんや よーた

102
この本を読むとダイヤモンド・プリンセス号とコロナ第一波における、日本政府の感染症対応に関する印象が変わった。当初、厚労省は「現場軽視・科学無視」の姿勢かと思ったが、完璧ではないにせよ科学者の主張や科学的なエビデンスがコロナ拡散防止に多大な貢献をしていたように思う。マスコミが切り出した一部だけを見て物事を判断することは、人間の命を脅かしかねない軽挙であることが分かる一冊。2021/02/14

(C17H26O4)

82
普段この手の本をあまり読まないし、読んでも登録はしないのだけれど、おりしも今日、緊急事態宣言が再び出されるので登録。西浦教授の今後の東京都の感染者数の推移のシミュレーションも2、3日前にニュースにあがっていましたよね。一昨年の暮れから昨年の秋にかけての専門家たちのやってこられたこと、熱意、焦りやジレンマ、政府との折衝や交渉の難しさが非常によく伝わってきた。自分の日常の行動や感染対策について、マスコミや政権に対してわたしなりに思うこと考えることは多々ありますが、それは省略。今読んでとてもよかったと思う。2021/01/06

ナミのママ

51
未知なるものが日本を侵食し、そのスピードを予測しつつ、どうなるのか?どうしたら防げるのか?その判断の大きな部分を任された人。賞賛されたり、叩かれたり。殺害予告を受け、警察に護衛されながら移動する日々。怒涛の日々を振り返り、これからの課題を洗い出し、先に繋げる。8割の接触制限がなかったらどうなっていたのだろう。…さらっと書いてあるが、尾身さんがアベノマスクにブチ切れたところは拡散したくなる。2020/12/31

活字の旅遊人

48
2020年12月の出版。西浦博先生を始めとする専門家会議が、かなり苦労されていたことが分かる本。数理モデルを本格的に使える最初の日本人かもしれない。だからこそ、40代半ばで京大教授にまで行ける。それにしても、日本の政治家の責任回避的な言動と、マスコミのミスリードが嘆かわしい。マスコミに関しては、村中璃子氏も書いていた。が、村中氏とは立場が大きく異なる西浦氏には、取材をきっぱり断ることなども難しい訳だ。かといって言論統制は望ましくない訳だから、質の高さや倫理感が問題だという話になる。でもこれは更に曖昧だと。2021/02/19

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