内容説明
幕末・明治維新に活躍した人物の中でも人気ツートップの坂本龍馬と高杉晋作。生い立ちも志向も行動様式も異なる2人のキャラクターを著者が三十余年にわたり蒐集した史料を基に比較し、彼らを軸に維新の礎を築いた志士群像の正体に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
60
評伝というよりは、この二人を軸とした幕末史。藩の官僚としての高杉という視点は面白かった。一方龍馬の方に関しては、新しい研究の成果を取り入れ、等身大に書こうとしている。特に公議政体論についても彼の提案という説は近年否定されているとか。とにかく幕末史としてはコンパクトで読みやすく、しかも生き生きと書かれているので、特に初学者にはお勧めと思った。昨日伏見を歩き回ったが、龍馬通りなるものもあって、観光資源として重要なんだなと。そういう意味でも正確な歴史認識は必要だと思う。妙な崇拝にならないことを祈る。2022/10/08
kawa
36
小説などで仕立て上げられた二人の英雄像が果たしてどうだったのだろうかを検証するきっかけとなる。例えば自由と平等と平和を訴える竜馬、騎兵隊での武士以外の活躍に好意的だった晋作。これらは後世の為政者の自己都合な粉飾だったと主張。歴史好きにはお勧めの一冊かな。2025/03/24
六点
13
著者はかつて、長州の地で維新史を研究し、長州観光史学を批判したことにより、筆禍に巻き込まれるという稀有な目にあった人物である。さて、この本では毛利氏の上層家臣として産まれ、藩官僚として自己を規定し、維新への道に長州を引きずり込み、夭折した高杉晋作と坂本龍馬を対比的に捉えた評伝である。読後、もし長命した高杉が山県有朋の作らせた『軍人勅諭』に満ち溢れた上層武士層に対する憎悪を見たらどう思ったのだろう。と、埒もないことを考えてしまった。2020/11/22
スプリント
11
浪漫先行の歴史が流行っているが史料を元にした研究では一人の行動で大局は簡単には動かせなかったようです。 歴史は様々な見方ができるし、だれもその場にいたことがないので真実は一つではないと思う。だからこそ歴史研究の本は読んでいて楽しい。2022/04/30
えぬ氏もわるよのぉ
11
坂本龍馬の志士としての覚醒はわりと遅く、久坂玄瑞に勤皇論を熱心に吹き込まれてからではないかという説は、なるほどと思った。長州藩の薩摩名義での武器購入に龍馬は関わってないとか、薩長同盟は龍馬の一喝で決まったのではないというのは、少し前に読んだ『新説 坂本龍馬』に主張が似ている。大政奉還にあまり積極的ではなかったという説も新鮮な驚き。2022/02/13
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