筑摩選書<br> 独裁と孤立 トランプのアメリカ・ファースト

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筑摩選書
独裁と孤立 トランプのアメリカ・ファースト

  • 著者名:園田耕司【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2020/11発売)
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  • ISBN:9784480017161

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内容説明

「アメリカ・ファースト」を信条とするトランプ米大統領。自国の利益を最優先するその姿勢は、多くの国民に支持された。自分とは相容れない閣僚を次々と更迭して独裁体制を築き、国際秩序の安定に関心がなく、同盟国を軽視し、自由貿易に消極的で、移民に対し排外主義的な姿勢を取るトランプ大統領。超大国トップが掲げるアメリカ・ファーストとは何か? 米国内の分断が深まり、国際社会に混乱が生じても、少なからぬ米国民が支持するのはなぜか? 政府高官や研究者などへの多数の取材と膨大な資料から、その真実に迫る!

目次

プロローグ──アメリカ・ファーストの源流
催涙ガス
「黒人への組織的テロ」
沈黙を破った「狂犬」
人種問題でつまずく
「米国は利用され続けてきた」
アメリカ・ファースト委員会
「私はアメリカ・ファースト主義者」
パット・ブキャナンの自宅で
ペイリオコンの系譜
第一章 ヘドロをかき出せ──首切り人事で築いた独裁体制
ネバー・トランプ・リパブリキャンズ
公開書簡の仕掛け人
「憎悪を植えつけ分断を生み出した」
政権入りは一四九分の一
相次ぐ閣僚更迭
ある外交官の決断
ボルトン更迭の衝撃
「リビア方式」で対立
忠臣・ポンペオの野心
トランプ独裁の完成
ネバー・トランプ、その後
「我々は彼ではなく政府を支援する」
第二章 支持率九割の熱狂──共和党から「トランプ党」へ
ウクライナ疑惑
共和党、鉄の結束
八九% vs. 三%
「共和党はどうなってしまったのか」
消えるトランプ批判
「茶会運動、九割がトランプ支持者」
「穏健保守」目指した時期も
孤児から大統領になったジャクソン
「民衆の大統領」にイメージ重ね
ジャクソニアンとしてのトランプ
人種差別主義者の影
「トランプ党」へ
第三章 カム・ホーム・アメリカ──新たな孤立主義の台頭
「何のために戦死したのか」
「バカげた終わりなき戦争を終わらせる」
米軍死者数七〇〇〇人超、六・四兆ドルの支出
外交官の見たアフガン戦争の現実
PTSDの発症率、一五・七%
存在しなかった大量破壊兵器
「怪物退治のために海外に出て行かない」
「米国人を攻撃すれば報復する」
米軍撤退と矛盾するイラン司令官殺害
米軍兵士の家族再会をサプライズ演出
「今こそ米国の人々を故郷に帰すとき」
第四章 揺らぐ同盟──究極の取引至上主義
同盟重視派マティスとの対立
「同盟国に敬意を払うべき」
「米国はシリアから七〇〇〇マイル離れている」
同盟国に広がる「見捨てられ」恐怖
加速する「同盟国叩き」
「韓国は扶養家族ではない」
八〇年代から「ウィン・ルーズ」の世界観
仲間はずれのトランプ
中ロ、共同警戒監視活動で揺さぶり
「米国はもっと早く対応できた」
第五章 正恩と「恋に落ちた」──戦略なき衝動外交
「極めて戦争に近い状況にあった」
日韓から米国人退避も一時検討
先制攻撃反対で駐韓大使人事内定が白紙に
「正恩は戦略的にものごとを考える」
正恩とトランプ、それぞれの思惑
突然の米韓合同軍事演習中止
行き詰まる米朝高官協議
ビッグ・ディールの不発
トップダウン方式の限界
「劇的な瞬間、劇的な瞬間だ」
「忘れられた戦争」を忘れない
北朝鮮は核ミサイル開発をやめず
アメリカ・ファーストの脆弱さ
第六章 トゥキディデスの罠──経済ナショナリストと米中「新冷戦」
「中国による死」
徹底した中国批判の映画
「これは中国が始めた戦争なのだ」
「新冷戦」を印象づけたペンス演説
「大国間競争が戻ってきた」
対中政策、交錯する二つの意思
「自由で開かれたインド太平洋」構想
「ナマステ・トランプ」で米印関係強化も
冷ややかなASEAN諸国
台湾問題に口をつぐむトランプ
中国の人権問題に無関心
中国、人権弾圧へと「逆コース」
孔子学院、続々閉鎖
「非理性的な恐怖」と懸念する声も
「熱戦」を防ぐシステムを
第七章 ドナルド・シンゾウ──蜜月関係の実像
「米国攻撃時にソニーのテレビを見ているだけ」
「おだて外交」の加速
日米安保見直しで揺さぶり
F35「爆買い」
武器のトップセールス
「しのぎ」に徹した四年間
沖縄問題への関心が低いワシントン
「県外移設」という迷走の呪縛
「辺野古基地建設、愚かな計画」
中距離ミサイル日本配備の可能性
対中観をめぐる日米間ギャップ
チャイナ・リスクとチャイナ・オポチュニティ
「さまざまな国にヘッジをかける」
第八章 国際的リーダー役を放棄した「戦時大統領」
過小評価したコロナリスク
アメリカ・ファーストで国境防衛
「米国不在」で存在感を高める中国
世界恐慌時の大統領
エピローグ──アメリカ・ファーストは終わらない
最高権力者が仕掛ける文化戦争
戦後国際秩序を自らの手で壊す
国際主義と孤立主義の相克
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

86
未だトランプ大統領は敗北を認めていないが、どうやら再選はなさそうだ。往生際の悪さも、さすがトランプ。分断を煽るような発言も、アメリカ・ファーストならぬトランプ再選ファーストと見ると一貫。再選の制約が無くなればやりたい放題に?傍目には”困った”大統領も、全米の半分が熱烈に支持している事実は重い。16年の大統領選予備選でトランプ候補選出に、こぞって反対した共和党議員も今回は支持で結束した。トランプ支持層から見放されれば議員生命もないと自覚したためとか。トランプが去っても、これらの人々の存在や不満は消えない。2020/11/27

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