男たち/女たちの恋愛 - 近代日本の「自己」とジェンダー

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男たち/女たちの恋愛 - 近代日本の「自己」とジェンダー

  • 著者名:田中亜以子
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 勁草書房(2020/11発売)
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  • ISBN:9784326603176

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内容説明

明治期の「恋愛」という新たな観念の登場は、異なる歴史的・社会的文脈のもとにあった男女に、それぞれ何をもたらしたのか。恋愛をめぐる社会的な共通認識がつくられるプロセスをジェンダーの視点からたどり、恋愛という観念がいかに男性と女性にとって異なる意味をもつものとして形成されていったのか、資料を基に鮮やかに描き出す。

目次

はしがき

序 章 問題視角──恋愛における「自己」とジェンダー
 1.近代的「自己」への着目
 2.男女の非対称性の形成過程の解明
 3.男女という枠組みの形成過程の解明
 4.本書の課題と構成

第一章 夫婦愛の成立──「自己」と「役割」の緊張関係
 1.「自己」の誕生
 2.夫婦愛の成立
 3.夫婦愛のジェンダー構造
 4.肉体性へのまなざし

第二章 反社会としての恋愛──男たちの「自己」の追求
 1.北村透谷の恋愛論
 2.明治三〇年代における展開
 3.「男同士の恋」

第三章 恋愛の社会化──「自己」から「男らしさ」へ
 1.青年たちの「自己」の追求への批判
 2.「男」の価値化
 3.生物学的恋愛観
 4.その後の展開

第四章 「女同士の恋」──女たちの「自己」の追求
 1.「自己」と「女」の出会い
 2.女が「自己」を実現できる関係
 3.小説の中の二つの「女同士の恋」

第五章 恋愛への囲い込み──「女」としての「自己」
 1.社会の側の反応
 2.性科学の台頭
 3.応答としての恋愛論
 4.大正期における恋愛結婚論の確立

第六章 残されたジレンマ──「自己」と「役割」の狭間で
 1.女性知識人と恋愛
 2.『主婦之友』における「愛される女」
 3.批判されたハウツー言説

終 章 恋愛の脱構築に向けて
 1.夫婦愛/恋愛を通して「自己」を解放するという理念の男性中心性
 2.女性たちによる「自己」の希求と「女同士の恋」の結びつき
 3.性別役割と結びついた恋愛を正統化する論理における男女の非対称性
 4.「愛されること」の女性役割化
 5.「自己」と性別役割の両立におけるセクシュアリティの役割

あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saiikitogohu

1
【他の誰でもない「たったひとりのあなた」が好きなのだという気持ちを肯定してくれるのもまた、恋愛という観念である。恋愛は、個人の個別性と自己決定をこそ重視するものであるという意味で、既存のジェンダー秩序に加担するだけの観念であるともいえない】ⅲ【身分制度が廃止された明治の代にあって、人々が自らの意志のみによって「何者か」になることが求められる時代状況…あたかも見つけるべき「本当の自己」なるものが存在するかのようなフィクション…その延長で恋愛における「本当の自己」を実現することこそが求められていった】32022/02/11

Kiefer

1
近代的な「自己」の実現が求められていながら、そのために異性から恋愛対象にされなければならないジレンマを明らかにしてくれた本。男女間の「恋愛」観念の非対称性がわかるので、ちょうど読みたかった。

1
まさに私が必要としていた本。とても励まされた。2020/03/08

澄川石狩掾

0
近代に登場した「自己」と恋愛の問題を論じた宮野真生子『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』に立脚した上で近代の恋愛を論じている。異性愛以外にも射程を拡げている点が優れている。2021/04/13

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