信頼を考える - リヴァイアサンから人工知能まで

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信頼を考える - リヴァイアサンから人工知能まで

  • 著者名:小山虎
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  • 勁草書房(2020/11発売)
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  • ISBN:9784326102709

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内容説明

どのような状況であれば信頼が成立していると言えるのだろうか。どのようなときに信頼は成立するのだろうか。何をすれば信頼が成立するのだろうか。安心や協調といった類似した現象と信頼はどのように異なるのだろうか。そもそも信頼とは何なのか。原点から最先端まで、個別の分野から全体的な見取図まで。信頼研究の全貌を提示する。

目次

はじめに

第I部 信頼研究の始まり

第1章 ホッブズにおける信頼と「ホッブズ問題」[稲岡大志]
 1.信頼研究の源泉としてのホッブズ
 2.ホッブズにおける信頼と信頼性
 3.自然状態から社会契約へ
 4.信頼と社会契約
 5.むすび

第2章 ヒュームとカントの信頼の思想[永守伸年]
 1.はじめに
 2.ヒューム
 3.カント
 4.結論

第3章 エスノメソドロジーにおける信頼概念[秋谷直矩]
 1.はじめに
 2.社会秩序はいかに可能か
 3.ガーフィンケルにおける信頼
 
 コラム1 信頼研究の系譜[小山虎]

第II部 秩序問題から行動科学へ

第4章 行動科学とその余波─ニクラス・ルーマンの信頼論[酒井泰斗・高史明]
 1.はじめに─本章の課題
 2.例と規定
 3.モートン・ドイッチの信頼研究
 4.ニクラス・ルーマンの信頼論
 5.おわりに

第5章 政治学における信頼研究[西山真司]
 1.はじめに
 2.政治学における信頼研究の問題構成
 3.行動科学時代の政治文化論
 4.制度はいかにして信頼関係を醸成するのか
 5.政治学における信頼研究の可能性

第6章 社会心理学における信頼[上出寛子]
 1.はじめに
 2.社会的認知
 3.説得とリスクマネジメント
 4.情報技術に関する信頼
 5.信頼に値すること(trustworthiness)と信頼すること(trust/trustfulness)
 6.信頼に関するその他の研究
 
 コラム2 信頼の多様性[小山虎]

第III部 信頼研究の多様化

第7章 ビジネスにおけるステークホルダー間の信頼関係─経営学での組織的信頼研究の整理とその含意[杉本俊介]
 1.本章の目的と概要
 2.組織的信頼のタイプ分け
 3.信頼がない場合,ビジネスのなかでいかに作られるか?
 4.組織的信頼がもたらすパフォーマンスの研究
 5.企業や経営者はいかにして信頼関係を構築すべきか

第8章 教育学における信頼─非対称的人間形成力としての信頼[広瀬悠三]
 1.はじめに
 2.教育における信頼の芽生え─18世紀を中心に
 3.信頼の現出─生の肯定と学びの促進
 4.教育の基盤をなす信頼─教育人間学と子どもの人間学の視点から
 5.これからの教育における信頼

第9章 医療における信頼[菅原裕輝]
 1.導入
 2.医療においてどのような実践が行われているか
 3.医療実践のなかにはどのような関係性が存在するか
 4.医療実践のなかからどのようにして信頼関係が構築されるか
 5.概念整理
 6.結論

第10章 機械・ロボットに対する信頼[笠木雅史]
 1.本章のねらい
 2.機械・ロボットに対する信頼を論じる前に
 3.機械・ロボットに対する信頼研究の背景
 4.機械・ロボットに対する信頼の定義と測定方法
 5.機械に対する信頼に影響する諸ファクター
 6.機械に対する信頼と人間に対する信頼の相違
 
 コラム3 信頼と安心[小山虎]

第IV部 信頼研究の明日

第11章 障害者福祉における信頼[永守伸年]
 1.はじめに
 2.障害者福祉における「自律」
 3.情動的態度としての「信頼」
 4.信頼と相互理解
 5.信頼のコストとその削減
 6.おわりに

第12章 ヘイト・スピーチ─信頼の壊しかた[和泉悠・朱喜哲・仲宗根勝仁]
 1.はじめに
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

12
【概要】信頼研究の見取図を提供する。【感想】ホッブズの自然状態から社会状態への移行で重要となる他者への信頼が研究の源泉だが、教育、福祉、哲学、工学と様々な分野で信頼は用いられる。定義や文脈もばらばらだが、そこで各分野の典型を抽出する試みが本書だ。ホッブズ以下哲学的観点、ヘイトスピーチが被害者の社会への信頼を壊すとした点が興味深かった。後者は憎悪表現を浴びせられるだけでなく、被害者にとってそれが意味を持つために差別が常態化していると措定しなければならないといった分析は表現の自由と異なった観点で得心した。 2020/11/27

ぷほは

1
この概念に手を出すと、信頼・信用・信仰・信任・信託、trust、trustworthiness、believe、credit、confidence等の用語が各陣で微妙に異なるばかりか、説明変数と被説明変数が議論の中で逆転してしまっているような場合もあり、とにかく誰が何を言っているのかの整理で力尽きそうになる。そこで本書は一般性ではなく学際性を重視し、各分野の学説史を丁寧に押さえた上で概念の有用性がチャート化されている。体系化や図式化が進んでいる分野より、厳密さに拘ったり実践性に重きを置いた章の方が面白い。2018/08/23

ken5scal

0
読了。課題感としてはゼロトラストとか産業革命4.0とかTEEなど、異なる分野・技術スタック・粒度で頻出するトラストとはなんぞや、となっていた。そこで見つけた書がこれ。社会的な意味でカオス(生存のための行動が当然の)で権威の存在しない環境(自然状態)でコモンウェルスと社会契約履行のための17世紀の信頼から、今日のAIに対する信頼まで綴っている。個人的には第7章の「ビジネスにおけるステークホルダーのあいだでの信頼関係」が一番実践的かとおもえた。あと、reliabilityとの違いもサラッとかかれててよかった2020/06/16

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