日本は「右傾化」したのか

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日本は「右傾化」したのか

  • ISBN:9784766426946

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内容説明

▼誰が、何が、どう、変わったのか?
日本は「右傾化」しているのか。
概していえば、社会全体の有権者レベルの調査では、顕著な「右傾化」はみられない。しかし、政党や宗教団体など特定の対象のレベル、あるいは報道のレベルでは「右傾化」が指摘されることが多い。政治家などの右派的言動も目立つ。
本書は、このような一見すると矛盾した現状について、学際的な知見を集め、①意識、②メディア・組織・思想、③政治という三つの視角から、「右傾化」の実態を徹底検証する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

52
日本は、漠然と右傾化しているようなイメージを受ける。なぜか?その問いに答えてくれる論文集。国民意識やメディア、ネット、政治などそれぞれの分野で右傾化しているかデータをももに検証していく。小熊論文にあるように、右が重くなったのではなく、左が欠けて傾いたというのが答えと考える。ぶつかるのを避けるだけでなく、政治的議論が身近になってもらいたい。2020/12/08

ヒデミン@もも

37
小熊英二さんは何事も視点が社会全体として捉えているからわかりやすい。まず、右翼とは何か。左翼との違いは。それが私の中で曖昧模糊はっきりしてなかった。松谷満さんによると国、時代、世代で異なる。経済的、社会的次元、ナショナリズムなどによる地域。日本は、①伝統的な価値観②国家、民族③憲法九条など軍事力強化。民族的優越感。排外主義以外はむしろ左翼化。政治は長期政権による右翼化、一般庶民は左翼化ということに納得する。2020/11/15

jackbdc

7
自民党の議席数の多さが右傾化を意味しないという主張。市民社会は右傾化していない。保守的な伝統的規範への回帰の志向は見られない。ネトウヨは目立つ気がしても絶対数は僅か数%。左右の変化ではないが個人主義化・無干渉化しており、これが排外主義の許容に繫がっているという。また、社会的公正追求への志向が弱まっていることが左派の衰退に繫がっているというのは私の直感とも通じる。一方で、政治は独自の要因により右傾化している。保守政権が固定化する事により少子化やジェンダー問題への切り込みが甘くなる部分はあるのかもしれない。2021/11/18

たろーたん

1
松谷論文が面白かった。右傾化が「反・個人主義」「ナショナリズム」だとするならば、前者の性別役割分業や家族観、少数者への不寛容はむしろ低下・横這いである。しかし、後者からみれば、愛国主義、民族的優越感、排外主義は韓国人や中国人に限って強まっている。つまり、個人主義が進んでいるが部分的には右傾化もしている。ただ、補足として寛容と言っても外国人が増えることには寛容だが、生活圏に来ると嫌というのは強まっているらしい。また、日本では高学歴ほどリベラルな価値観を有するという関連が見出しにくいみたい。2021/12/10

ishida

0
難しい部分もあったが、興味深く読んだ2022/08/04

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