内容説明
江戸幕府が270年もの長期政権を保てた理由は何か? それは「神君」家康の貯蓄や投資などの財テクにあります。莫大な貯蓄があったのは信長や秀吉も同じですが、家康は何が違ったのか――。本書は、元国税調査官の著者が家康のお金の稼ぎ方から使い方、組織維持のシステムなどの経営手腕を現代的な視点から解説します。経営者やエグゼクティブクラスの方々はもちろん、一般のビジネスパーソンにとっても活きる知恵が満載です!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
forest rise field
10
徳川家康の凄さがよく分かりました。ただ戦上手なだけではなく、忍耐、運、判断力、人間を見る眼力、経済力など。東京の繁栄は家康の江戸建設のお陰だし、260年も安寧な江戸時代は家康の作った仕組みにある。世界的に見てもすごい人だったのだと思いました。経済的視点から見る歴史というのは初めてだったのでなるほどなと納得させられました。2020/06/17
浅見ヨシヒロ
4
約270年も続いた江戸時代。 『江戸幕府』の最大の武器は、兵力ではなく豊富な財政力に裏打ちされた徳川家康の経営戦略でした。 反乱の芽を事前に摘み取る内政手法やお家騒動を防ぐ御三家制度によって、江戸時代は戦争がほとんどない太平の世となったのです。 記事をブログにまとめたので、どうぞご覧下さい→https://asami-book.com/bookshelf-138/2020/08/29
読書国の仮住まい
3
この手の本はどうしても歴史の事実が分かっているから、そこから探し当ててくる要素は結果論でしかない。 例えば待つことの忍耐力を挙げているが、実際天下が転がり込んでくるかは不確実。 唐入り(朝鮮出兵)も参戦しなかったことを慧眼だと褒めそやかすが、日本以外の褒美の土地を探し求めた結果。 成功していれば、徳川家は相対的に弱体化していた。 血族を絶やさぬよう御三家を創設したが、皮肉なことにそれが幕末において崩壊を招いている。 とはいえ270年近くの太平を築いたことも事実。 だが発展を妨げた要因もまた一面にあるか。2021/10/06
たけひろ
3
☆☆☆.52021/02/07
佐藤春海
2
石田三成に経済封鎖をされていた家康さんは関ヶ原を起こすしかなかった。しかも野戦に引きずり出しての短期決戦で。ということが経済視点で書かれていて新鮮。歴史家は経済という視点で見ないからである。 彼は自分が有能ではないと思っていたからこそ学んだのだろう。だから、信長秀吉家康と並び称されるだけの人になった。大坂が経済都市として重要でここから離れない豊臣家は滅ぼすしかなかった。まるで信長さんの石山十年戦争である。両者とも大坂と言う土地や都市が重要だと理解しているからこそ大合戦に及んだのだから。2022/09/13