政策はなぜ検証できないのか - 政策評価制度の研究

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政策はなぜ検証できないのか - 政策評価制度の研究

  • 著者名:西出順郎
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  • 勁草書房(2020/10発売)
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  • ISBN:9784326302918

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内容説明

なぜ政策評価制度は機能しないのか。これまで、政策評価は身内による「お手盛り」と批判されつつも、その因果メカニズムは明らかにされてこなかった。本書では、評価に従事する行政職員の意図から実際の評価結果に至るまでの制度運用を解明し、このような運用がなされる要因を明らかにして、評価が歪んでいく構造を実証する。

目次

はじめに

第I部 序  論

第1章 本書のあらまし
 1 研究設問と調査・分析手法
 2 本研究の学術的な意義
 3 本書の章立て
 4 用語の定義

第2章 評価制度導入以前の政策評価研究
 1 行政測定の研究
 2 プログラム評価,マネジメント・レビューの研究
 3 自治体評価の研究
 4 小  括

第3章 評価制度の先行研究
 1 評価制度の概説
 2 先行研究の論点整理
 3 批判的検討

第4章 作為的評価行動の仮説
 1 評価行動の作業工程
 2 一般理論の援用
 3 作為的評価行動の仮説

第II部 評価行動の検討

第5章 作為的評価行動の探索:行動は実際に起きているのか?
 1 本分析の枠組
 2 分析事例の概要
 3 評価行動の検証
 4 活用行動の検証
 5 考  察

第6章 作為的評価行動のモデル化:行動はどのように起きるのか?
 1 本分析の枠組
 2 作為的評価行動の操作化
 3 仮モデルの設定
 4 仮モデルの検証
 5 考  察

第7章 作為的評価行動の説明:行動はなぜ起きるのか?
 1 本分析の枠組
 2 評価作業の実際
 3 評価目的の存在意義
 4 評価目的と評価結果の特性
 5 考  察
 6 第II部の小括

第III部 制度設計の検討

第8章 現行制度の枠組:制度は作為的な行動を統制できないのか?
 1 内部評価の制度設計
 2 外部牽制の制度設計
 3 考  察

第9章 評価制度の成立過程:統制できない制度がなぜ設計されたのか?
 1 行政改革会議での動き
 2 中央省庁等改革と評価制度
 3 標準的ガイドラインの策定
 4 考  察

第10章 評価制度の見直し過程:作為的な行動をなぜ放置するのか?
 1 附帯条項に基づく見直し
 2 民主党政権下での見直し
 3 自民党政権下での見直し
 4 考  察
 5 第III部の小括

第IV部 まとめ

第11章 起こるべくして起きた作為的評価行動
 1 結  論
 2 今後の課題

第12章 政策検証の限界:政策はなぜ検証できないのか?
 1 組織的特性と政策検証
 2 システム的特性と行政職員集団
 3 評価制度と他の組織管理システム
 4 政策検証の行く末

おわりに

付録 1
付録 2

あとがき
参考文献
資  料
索  引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とある本棚

8
官僚が政策評価を行う際に、お手盛り評価してしまうメカニズムを論じている。行政資源の獲得を目指し、実態より高い評価結果をつけたり、評価結果を既存の政策に追従するようにつけてしまうことがあることを明らかにする。私見だが、後者については昨今の官邸主導のトップダウン型の政策形成も関係あろう。現場は官邸の意向に沿わない評価をするのはなかなか難しいのではないだろうか。全体を通じて、定量・定性の両面から丁寧に論じられており、論理構成も明快である。他方、博士論文を基にしていることもあり、読み物的な面白さはあまりない。2022/06/04

わんぱら

3
非常に素晴らしい。「お手盛り」と評される政策評価制度が、なぜどのようにそうなってしまうのか、合理的選択理論や官僚理論から導出された仮説を、3つの手法で検証することによって、究明する本。堅実な方法に導かれた的確な分析は、非常に納得のいく結論を導出する。その結論として提出された問題に対する対応策はラディカルだが、結論の堅実性が対応策の必然性を支えている。実証研究の方法の適切性を評価する知見が私にはないが、適切だとすれば、政府はこの本の問題意識を真摯に受け止めて、政策評価制度の改善に乗り出すべきである。2020/06/26

Bevel

2
政策を起案する人と、検証する人が同じであれば、真面目に検証するインセンティブがなさすぎてそりゃ無理でしょ、という当たり前を丁寧すぎるくらいに論じた本。県庁出身の著者によるこういった本が、こういったスタイルで出るということ、それ自体が、社会における公共政策ないし官僚の孤立感を感じさせる。あまりにも不合理なことが起こっているので、それを支えている前提がいかにうまく機能していないかに注目がいってしまうというか、うーん。。。2021/06/18

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