山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 定本 山のミステリー 異界としての山

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 定本 山のミステリー 異界としての山

  • 著者名:工藤隆雄
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 山と溪谷社(2020/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635048859

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内容説明

山とは即ち異界なり。
山小屋の主人や登山者たちが経験したこの世の現象とは思えない奇妙な56の実話拾遺集。
登山歴40年を超える著者が、山小屋の主人などから聞いた、
ときに恐ろしく、ときに神秘的な、奇妙な山の体験談56話を収録。

2016年刊行の『新編 山のミステリー 異界としての山』(山と溪谷社)を定本として文庫化!

解説「知らない世界への誘い」(田中康弘)


(内容)
I 山の幽霊ばなし
真冬の幽霊/体が透ける/屋久島の幽霊/窓辺に座っていた幽霊/看板のなかの顔/車のドアを閉めた謎の手/人間が怖い/幽霊に助けられた女性たち/甲斐駒ケ岳の幽霊/避難小屋の怪

II 人智を超えるもの
浮かび上がる遭難遺体/夢に現れた遭難現場/「拝み屋さん」の予言/血を引く/霊が見える人たち/UFOの降りた山/もうひとりの登山者/謎の火の玉/静止する訒燭の炎/幻のかりんとう/消える山小屋 /山の神に守られる?/大きな天狗/おいらんのかんざし/不思議な観音様

III 自然の不思議
森のなかから助けを求める声/死者を悼むリス/空飛ぶキツネ/水筒に助けられた登山者/逃げなくなった野鳥たち/寒気/ダケカンバの夢/七転び八起木/雷で育つアズマシャクナゲ/天狗が木を伐る/天狗のテーブル/消えた戦闘機/風穴に響く愛犬の声/七年に一度山中に現れる幻の池/雲が教えてくれたこと/「更級日記」と富士噴火の謎?

IV ひとの不思議
ザックの中身/謎のバンダナ/黒ずくめの遭難者/水晶山の遭難/消えたキスリング/オカリナ/山中の車/山上のストリーキング/中高年登山ブームのかげで/死相/赤い帽子/ツチノコより不思議な男/それでも医者か/水場のミステリー/山の仲間が支える命

あとがき
新編のためのあとがき
文庫版のためのあとがき
解説 知らない世界への誘い 田中康弘

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

28
怪談朗読の動画の視聴にハマってしまい、山中にて人外や幽霊と遭遇する等の怪談のいちジャンルである、山モノを目当てにしたが、それに類する割合は多くなく、山小屋における管理人や登山者に因んだエピソードが多い。遭難から不思議な作用で生還した話、逆に死に導かれた話、遭難者遺族と遺体の引き合わせの縁や、恋愛、不倫などバラエティーに富む。必ずしも因果応報、勧善懲悪なパターンには落ちないので、 山とは、自然とはそういうものという認識に至る。ちなみに登山は個人的には御免である。2020/09/13

Kazuko Ohta

23
幼い頃から山好きの両親にあちこちに連れて行かれたせいかおかげか、私は「海もの」よりも「山もの」に惹かれる傾向があります。運動嫌いゆえ今は登山はしないけど、このタイトルは読まずにはいられない。収録されている56話におどろおどろしい話はありません。いわゆる怖い話を期待して読むと肩すかしを食らう。むしろ山のちょっとした不思議に触れて山に登ってみたくなる、そんな話ばかりです。自然に助けられたり、霊に助けられたり、動物が何かを知らせてくれたり、実際にありそう。熊って普通は人間を避けるものなのですね。そんな豆知識も。2020/08/04

ニンジン

10
山にまつわる不思議な話をまとめたお話。 本格的な怪談話ではないけれど、人も自然もまだまだ分からない事が沢山あると感じさせてくれます。 実際に山に関わる人から著者を通じて色んな話を聞けた気分になれて面白かったです。 山へ行ってみたくなりますが、夜の山小屋は怖そう…2021/04/15

yamakujira

9
山小屋主人や登山者から聞いた56話のミステリーを「山の幽霊ばなし」「人智を超えるもの」「自然の不思議」「ひとの不思議」の4章で紹介してくれる。東京新聞刊の単行本は既読でも、改編で未発表の4話を収録ということで読んだものの、どれも記憶になくて全編初読のような気分で楽しめた。各章からそれぞれ、幽霊の正体見たり「避難小屋の怪」、血縁の不思議「血を引く」、第六感がよみがえる「寒気」、迷宮入りの「水晶山の遭難」が印象的だったけれど、最近は似たような本が多いから、またいつしか忘れちゃうんだろうな。 (★★★☆☆)2021/03/01

JADE

8
著者が山男たちから聞き集めた56話。怪しいというよりは奇妙で不思議な話が多かった。若いころからあちこちの山を歩き回ったが、自分ではそういった経験はない。でも「山で怖いのは人」という言葉は、なんとなく理解できる。だから、Ⅳ章「ひとの不思議」が1番怖かった。季節外れの小さな山小屋。ランプの明かりの下で、ストーブを前に茶碗酒をすすりながら、小屋主のじいちゃんの渋い声でこんな話を語られたら、体中に鳥肌が立つだろう。それはちょっと経験してみたい。 ☆3.52021/05/29

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