新潮新書<br> 歴史の教訓―「失敗の本質」と国家戦略―(新潮新書)

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新潮新書
歴史の教訓―「失敗の本質」と国家戦略―(新潮新書)

  • 著者名:兼原信克【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 特価 ¥585(本体¥532)
  • 新潮社(2020/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106108624

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内容説明

急速な近代化を成し遂げ、大国ロシアも打ち破った戦前の日本が決定的に誤ったのは、「統帥権の独立」が政争の道具として登場した時だ。逆に言えば、政治と軍事が国家最高レベルで統合されていない限り、日本は同じ過ちを繰り返すかも知れない――。「官邸外交」の理論的主柱として知られた元外交官が、近代日本の来歴を独自の視点で振り返り、これからの国家戦略の全貌を示す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

164
初代の国家安全保障局(NSC)次長の二部構成の著書。前半は、現代に連なる日本外交史を近代の欧州人の台頭から世界を背景に紹介。明治初期の政治家は、西洋列強国が覇権を競う世界情勢のなか、日本が独立国として負けない外交をリアリストとして展開したと分析。内政では民主主義に向け緩やかな社会政策も行う。しかし、引き継いだ昭和の政治家は理念を先行させ、ポピュリズム風潮を利用し「国務と統帥の断絶」を議会で承認。これが日本の根本で最大の誤った原因と主張。後半は、個人の社会貢献を志向する自己実現が民主主義に欠かせないと提案。2020/07/15

姉勤

34
日本がなぜ無謀な戦争に突き進み、破れ果てたのか。その要因を近現代の国際情勢と国内の政治と経済、そして軍事を通して敗戦に至る「失敗」を如何に招いたのかを述べる。日露戦争までのリアリズムに徹した日本が、やがて増長し、傲慢となり、それぞれの立場で願望を理想や正義に書き換えて、現実とかけ離れた解答を出した。 その二の舞を踏まないように現代と、そして未来の日本のとるべき方針を示す。前半の近現代史のおさらいの方は理路整然としているが、日本人の、もしくは人類のカルマを無視したような、調和世界の招来と言う将来には懐疑。2020/09/29

くものすけ

13
非常に分かり易い内容と文章で日本の歴史が良く理解出来た。失敗の原因は帝国陸軍海軍の暴走、その原因は天皇統帥権の独立にあると説明されている。しかしながら、天皇は戦争には反対されていた、陸軍海軍が天皇の意に反して戦争を始めたことに大きな問題があるようだ。同じ失敗は二度と繰り返さない事が重要だ。2020/06/07

kazmimagica

10
読みやすい一冊。近代史を俯瞰するのに便利でしょう。自民党・政府の考え方を理解するにも良いかもしれない。特に、朝鮮半島との接し方、考え方の基本がわかりやすいと思います。教科書に不足している部分なので学校教育に使えればいいのだが…。2020/10/31

tkokon

8
【課題図書・おすすめ!】著者の講演を聞く機会があり、課題図書として。圧倒的に面白かった。「日本史」の本として今まで読んだ本の中で一番面白かった。○日本人は、「外交」と「軍事」を分けて考えるが、それは全く間違っている。両社は一体のものである、というのがよくわかる。そして、外交と軍隊を切り離し、軍隊に自己判断の権限を与えるとどんな悲惨なことになるか、歴史がものがたっている。外交の基本は、多数派について、自分の貢献を主張して、弱い勢力を追い込む、これは普遍の真理なのだ。2020/08/22

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