岩波新書<br> プルトニウムの恐怖

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岩波新書
プルトニウムの恐怖

  • 著者名:高木仁三郎
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 岩波書店(2019/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004201731

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内容説明

プルトニウムは、原子番号九四番の元素で、自然界には存在せず、人工的にのみ合成される。その一族プルトニウム二三九は半減期二万四一○○年の猛毒の放射性物質で、原子力発電の副産物としてできる。「人類の夢をかなえる元素」とも「悪魔の元素」ともよばれるプルトニウムにまつわる話を、巨大科学技術の問題とかかわらせながら語る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

136
プルトニウムの危険性は分かりやすく説明している。 読者にとって、分かりやすいかどうかは分からない。 恐怖は、しばしば現実を見る目を曇らせるから。 その場、その時、本当に必要なことは、いろいろ考えられる。 今、しなくてはならないのは、プロトニウムを恐れることだけではない。 マスメディアに踊らされることなく、危険を回避する方策を見つける事ではないだろうか。2013/05/09

ベンアル

11
二度目の再読。1981年に書かれた本。ブックオフで120円で購入。スリーマイルアイランド事故、イスラエルの原発テロ、放射性廃棄物の問題など原子力反対派の著者が原発、プルトニウムの危険性を挙げている。この時代から1F事故や杜撰な原子力防災を予言しているのは凄い。また、数十万年管理が必要な放射性廃棄物についても問題視しており、人間が管理するのは難しいと感じた。2023/08/15

ぽんくまそ

11
フクシマ原発爆発よりもずっと前から函館市で大間原発建設に反対してきた竹田とし子さんという小柄な女性がいる。彼女の話に時折出る名前が高木仁三郎氏だった。この本の出版が1981年だ。1979年スリーマイル原発事故の後で、1986年チェルノブイリ原発爆発や1995年もんじゅ事故より前だ。この時点でこれだけの事が判っていた。ぼくが原発が生み出す放射能の害悪を知ったのがチェルノ事故を受けた広瀬隆「危険な話」だったから、ぼくでも遅すぎたのだ。今2020年だから40年もたつ。俺もお前もどいつもこいつも何やってたんだよ。2020/10/13

ryuetto

7
ウラン鉱の採掘現場で、インディアンが働かされ、肺ガンで死亡している実態。河川の汚染。核物質輸送の交通事故。再処理工場の事故。高速増殖炉の事故。これだけ多くの人々の死の上に、私たちの便利な生活が成り立っているとしたら、私たちはみんな加害者だ。その罪の重さを忘れてはならない。 「つまり、地上の人間にとって、ほんとうに重要な資源は、石油でもウランでもなく、水と土なのであり、その循環の範囲で人間は生活するしかない」一番印象に残った言葉をあえてメモ。最後にこの言葉が出てきて、泣きそうな気分になったので。2013/02/01

sasha

6
今から約30年前。チェルノブイリの事故も、もんじゅのナトリウム漏れも、東海村の臨界事故も起こる前に書かれた作品だが、データ以外はまったく古びていない。「もっと電気を」。人間の欲望は、プルトニウムという猛毒物質を作り出した。誰が、どうやって2万年以上も安全に管理出来るのか。保証はどこにもないのだよね。2012/08/16

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