チャイナ・エコノミー - 複雑で不透明な超大国 その見取り図と地政学へのイン

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チャイナ・エコノミー - 複雑で不透明な超大国 その見取り図と地政学へのイン

  • 著者名:アーサー・R・クローバー/東方雅美/吉崎達彦
  • 価格 ¥2,546(本体¥2,315)
  • 白桃書房(2019/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784561911395

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内容説明

オリジナル版刊行から起きた地政学的な変動も踏まえつつ日本への示唆をまとめた「日本語版へのあとがき」と、著名エコノミスト吉崎達彦氏の解説も収録!

GDPで世界第2位となり、国際的なプレゼンスも強大となりつつある中国。GDPでアメリカを抜くという予測もなされている。
日本とは外交的な軋轢も多く、いわゆる「嫌中」的な本も売れる一方で、進出した工場や支社・子会社などの経営、また種々の工業製品・農産物の輸入は続き、さらにインバウンド観光や、越境ECに代表されるような消費財の輸出も注目されるようになってきており、密接な経済関係は今も維持され、新たな関心さえ呼んでいる。

本書は、解説の吉崎氏が、「中国経済を破綻なく総合的に描くことに成功」「これから中国経済と向き合わねばならないビジネスパーソンや学生たちが本書を入門書としてスタートできることを正直、羨ましく感じる」と語るように、さまざまな側面から中国経済について簡潔に歴史を振り返りながら、その現状と仕組みを、特段の専門知識を前提とせず、分かりやすく説き起こす。

翻訳書ながら読みやすい仕上がりで、また、日本語版のあとがきでは、オリジナル版刊行後の「一帯一路」やトランプ政権誕生などの地政学的な変動も踏まえ、日本への示唆をまとめている。
加えて、吉崎達彦氏による、日本の事情を踏まえたこの本の意義と読み方を指南する解説も収録。
断片的だったり偏った報道・出版が氾濫する中、中国経済・社会の全体像やメカニズムを正しく把握することがビジネスパーソン必須の教養となりつつある現在、最適の入門書!

2018年3月の日本語版刊行以降、さまざまなメディアで書評やおすすめとして紹介された、中国経済入門の定番!

目次

第1章 中国の政治と経済
中国の政治システムはどうなっているのか。また、それが経済にどう影響するのか/中国は他の共産主義国の失敗から何を学んだか/中国は近隣の東アジア諸国から何を学んだか/誰が経済政策を動かしているのか/中国の広さと人口は経済発展にどう影響するのか/経済成長と政治的な統制の間で、二者択一をしなければならないのはどんな時か

第2章 農業と土地と地方経済
人民公社の解体が1980年代の中国の成長につながったのはなぜか/1980年代と1990年代前半に、郷鎮企業は中国の経済発展でどんな役割を果たしたのか/都市と農村の格差は、なぜ1989年以降拡大したのか/都市と農村の格差の問題に2000年代の政府はどう対応したか/中国の農民は自分の土地を所有しているか/農地の権利の改善のために何が行われているか/中国は自給できるか

第3章 工業と輸出経済の興隆
なぜ中国は巨大な工業国・輸出国になったのか/中国の産業開発戦略はどのようなものか/トウ小平の産業政策はどのようなものだったか/江沢民と朱鎔基の下で産業政策はどう変化したか/なぜ胡錦濤政権では産業政策が国家統制主義的になったのか/今後10年間で中国の産業政策はどのように変わるか/なぜ海外企業からの投資がそれほど大きな役割を果たしたのか/「産業政策」はどこが成功し、どこが失敗したか/中国は「ズルをする」のか/人為的に下げられた為替レートは、中国の輸出拡大でどの程度の役割を果たしたか/超低金利は重工業の成長を支えたか 80/中国はエネルギー価格を低すぎる水準に設定していたのか/知的所有権の侵害は中国の産業開発でどの程度の役割を果たしたか/中国の産業界はもっとイノベーションを起こせるか

第4章 都市化とインフラ
どのくらいの速度で中国は都市化してきたか/都市化は経済成長とどう関係しているか/なぜ中国人は都市化が「部分的だ」と言うのか/中国の「戸口」制度とは何か。どんな影響を及ぼしているのか/戸籍制度の改革はどのように進められているか/都市部の住宅私有化からどんな影響が生まれたか/中国は今、米国がかつて経験したような住宅バブルの中にあるのか/中国の2層の住宅市場からはどんな問題が生じるか/なぜ中国は多くのインフラを建設するのか/つくられたインフラはどのくらいが有用で、どのくらいが無駄なのか/「新型都市化計画」とはどのようなものか

第5章 企業制度
国有企業と民間企業ではどちらがより重要か/国有企業改革では何を目指したか/中国の国有企業は日本の系列や韓国の財閥と似ているか/国有企業はどのような形で運営されているか/国有企業集団はどのような構造になっているか/1990年代の国有企業改革には、どんなインパクトがあったか/国有企業セクターの規模は現在どのくらいか/国有企業は独占企業か/中央政府の国有企業は自由にふるまえるのか。あるいは政府の計画の実行役なのか/民間セクターはどの程度重要か/民間セクターはどのように発展してきたか/国有企業が前進し、民間企業が後退しているというのは事実か/民間企業が銀行融資を受けられないというのは本当か/今後、国有と民間の力のバランスはどうなりそうか

ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

16
巨大で、名目的には中央集権だが実質的には非常に分権的な政治体制。その運営の仕方について何世紀もの間に積み重ねられた知識が、中国の政治と経済で重要な役割を果たしている。これまでの中国経済は対立するグループ間での激しい争いや、緊急の状況下で不十分な情報に基づいて行われた決定、過去の誤りの後からの部分的な修正、10億を超える人々が自分の利益を求めて常に渦を巻くような状況などによってつくられた。2018/11/25

おせきはん

16
中国経済について客観的、冷静に論じています。中国は資源の投入(資本の追加)により成長してきましたが、開発がある程度進み、人口が減少するこれからは、資源の効率的な活用(生産性)が成長のカギになります。また、イノベーションを促進するうえでは、情報共有の重要性を無視できません。さらなる経済成長のためには社会制度の変革も期待される中で、中国の官僚制-権威主義の政治システムと、どのように折り合いをつけていくのか、これからの動きに引き続き注目していこうと思います。2018/09/17

Hatann

5
中国の経済状況について改革開放路線以降の素描とともに冷静・簡潔に叙述している。最大の問題である格差・腐敗についても経緯をポイント押さえてまとめていて良い。更なる経済発展のためには効率性と刷新性が重要になるが、国有企業改革の行く末もさることながら、表現の自由や情報共有が制限されている国家社会においては創造性・刷新性を発揮することは不可能だと指摘されている。民主主義についての絶対的価値の強調に拡げる必要はないが、この経済面の指摘は当たっている気がする。国際分業の観点から、日本に頑張ってもらおうということか。2018/08/20

アルミの鉄鍋

2
★4 中国に対して批判的に挑発的に書かれてる本はよくあるけど、ここまで冷静に総合的な書かれてる本ってあんまりないんじゃないかな。ものすごく面白かった。ちなみに地政学のインパクトって本のタイトルに書いてあるけど、地政学の話は最後に少しだけなので注意。いや、それ以外もかなり参考になる話が多かった。勉強になりました。2019/12/12

まめタンク

1
2020年223冊目。2020/08/13

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