退歩のススメ

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退歩のススメ

  • ISBN:9784794969835

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内容説明

一歩下がることからはじめる生き方とは。坐禅、五体投地、錬功、内観。古来の修行・稽古法から「自然体」への道を実践的に探求する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SOHSA

34
《図書館本》藤田師の著作は私にとってどれも愛読書となり手引きとなっている。昨今の藤田師の著作は他分野の人との対談が多いが、柔軟にフレキシブルに他から学ぼうとする姿勢そのものに憧憬と尊敬の念を抱く。本書もまた一見禅とは対照的な武術の大家・指導者である光岡英稔氏との対談であり、古の身体感を取り戻すことをテーマとして語り合われる。現代人の私には理解は容易でない。むしろ理解するのではなく実践を通じて内観するものなのか。自らの身体を通じて立ち昇ってくる声なき声をいかに力みなく観じ得るか、それが修行ということか。2020/06/24

takeapple

19
身体と身と体(躰、軀)が違うという話が衝撃的。近代以前の身体観に戻る必要があるというお話は、なるほどそうしていないからいつまで呼吸を見たりすることができないのかと思い当たる。内観、集注ということができたらすごいのだろう。また身体がシンメトリーでないということも確かにその通りだった。2018/09/01

あまね

16
武道も座禅も瞑想も不勉強な私なので、お二人の哲学が全て分かったとは言い難いのですが、伝わってくるものはありました。驚いたのは、しゃがむことができなくなっている日本人が多くなったとのくだりです。西洋の体への考え方と日本の体への考え方は古は違ったというお話も頷けました。体と心へのアプローチと考え方をパラダイムシフトさせてくれるような本でした。2018/02/13

コジターレ

10
禅×武術の対談本。大変興味深い本だった。時折内容についていけなくなるのは、話がマニアックという理由だけではなく、僕自身の身体が近代化されたものであり、それを支える近代化された身体観で本書を読んでいるからだろう。スポーツ化された武術の動きがシンメトリーなのに対して、歴史が長い武術の動きはアシンメトリーであることなどは、実に興味深い。太極拳を習う身として見つめていきたいテーマだ。身体論は学ぶほどに謎が増えて、ワクワクする分野だ。2018/08/03

T.Y.

10
アメリカでも禅を教授している曹洞宗僧侶・藤田一照と武術家・光岡英稔の対話。別の本でも光岡の触れていた「五俵担ぎ」の農婦の話に始まり、座禅はそもそも「安楽の法門」だったという話も受けて、「当時の身体性を取り戻す」ということが大きな軸となる。武道は「殺す」こととその危ないラインを知るもの、禅も世間の期待に応えるようなものではない、身体を要素に分解して各部分ごとに鍛える発想で動けるのか…話題はことごとく興味深い。当時の人の生き方を知らないと理解できないものがあるというのは本当に重要な指摘。2017/12/25

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