内容説明
天才プロファイラー・羽吹允は、九歳のときに誘拐され、一年後に発見されてから、超記憶症候群を発症していた。二十年ぶりに会った小学校の友人からもたらされた情報は、最近起きた事件と過去の誘拐を結びつけるものだった。記憶を丹念にサーチする羽吹に見知らぬ番号からSMSが届く。指定された部屋にあった変死体は、過去の事件の関係者。羽吹の記憶の扉は開くのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
77
超記憶症候群の羽吹がそれを発症するきっかけになった誘拐事件の間の一年の空白の記憶。今回はそれに焦点があたります。見知らぬ番号から届いたメッセージにより誘い出された部屋にあった変死体…被害者はなんと過去の誘拐事件の関係者。事件そのものの謎を追うよりもそれが羽吹の過去にどのようにつながるのかが気になり一気に読み進めました。更に強くなる相棒神尾の存在、そして彼の妹も羽吹の今後に大きな力となりそうです。ラストには驚きました。次巻の発売が本当に待ち遠しいです。繋がっているので読まれる方は一作目から順にどうぞ。2020/02/12
みやこ
74
この項数でかなりヘビーな読み応え。一人の人間に対して相当な時間と労力を使ってあんな接し方をしてくる犯人の意図と狙いが不明確にもかかわらず、粘質的なことだけは嫌ってほど伝わってくるので気持ち悪い。神尾は羽吹に対して口やかましく世話を焼きつつ、子どもっぽい感情を伺わせるところが可愛い。事件を通して語られる、それぞれの人間模様。バックグランドが垣間見える程やるせない気持ちになる。幸せに塗れて生きていければいいけど、そうはいかない。そして衝撃的なラスト。咎を負うべきは羽吹ではない。諦めても絶望してもダメだよ。→2019/05/05
yu
55
Kindleにて読了。シリーズ3作目。羽吹の無くした過去が少しづつ明らかに。ラストの展開が・・・。この後、どうなるんだろう。せっかく打ち解けてきたのに、まだ閉じこもってしまうのでは。2019/11/03
佐島楓
54
羽吹の秘めた感情が明らかになっていくにつれ、彼が一番人間味あふれる存在であるように思えてくる。しかしうまくひっくり返してくれますね。どうなっちゃうんだこの試練。2019/04/26
papako
53
シリーズ3冊目。すごく読みやすく、すいすい読了。最初なんだかなって思った神尾のキャラが本当に救いになっている。展開は想定内。さてさてどこに着地するんでしょう。あの人が怪しい?それとも全く別の人なのか。。。2019/10/27