眼がスクリーンになるとき

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

眼がスクリーンになるとき

  • 著者名:福尾匠【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • フィルムアート社(2019/04発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784845917044

ファイル: /

内容説明

20世紀最大の哲学者、ジル・ドゥルーズが著した芸術と哲学をめぐる伝説的大著『シネマ』がわかる!
思想界に颯爽と現れた26歳の新鋭、衝撃のデビュー作!
映画という特殊な経験のシステムから立ちあがる、イメージがそれ以上でもそれ以下でもなく見たままで現れる地平、「眼がスクリーンになるとき」とはどのようなことか。
「たんに見る」ことの難しさと創造性をめぐって書かれた画期的入門書。

「映画とは何かを考え抜いたジル・ドゥルーズの伝説的著作『シネマ』が、本書によって、ついにわかる。『シネマ』のロジックを一歩一歩解きほぐす、目からウロコの超解読。そして、これは映画だけの話ではない。あらゆる芸術・文化を考えるのに役立つツールがここにある。」 ―――― 千葉雅也

『シネマ』は不幸なすれ違いを被ってきた、と著者は言う。哲学研究者からは「映画の本だから」、映画研究者からは「哲学の本だから」と、読まないでいる理由が用意されていたからだ。本書は「ゼロから読む」という副題のとおり、ジル・ドゥルーズの『シネマ』という書物の入門的な解説書である。したがって本書を読むにあたって、ドゥルーズについても、哲学についても、映画理論についても事前に知っておく必要はない。映画をどれだけ見たことがあるかということもまったく問題にならない。本書では映画作家、作品について可能な限り言及しない。つまり、ただ純粋に『シネマ』を読んでみたい、興味があるというひとにこそ、ぜひ手にとってほしい本である。

本書では、『シネマ』にとって、映画は、哲学の「フッテージ(footage)」、つまり「思考の素材=足場」であると捉えなおすことから議論を開始する。その映画というフッテージに、もうひとりの重要な哲学者アンリ・ベルクソンの哲学が流しこまれることで、映画は、「イメージ=映像による〈思考〉の実践」として立ち現れてくるのだ。『シネマ』と「映画」の関係、ドゥルーズとベルクソンの関係というふたつの問いは、哲学にとって「見る」ことと「読む」ことがいかにして概念の創造へと導かれるかということを指し示している。そのとき観客である私たちはどんな存在へと生成するのか。

本書は、「見る」ことと「読む」ことの復権を同時に実現するだろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

33
この二、三日、「城」の周りの村を足が棒になるまで歩き回ったが、城への入り口は一向に見つからない。 この本といい、日仏会館の「イマージュと権力」といい、なんだか本当に疲れた。 明日は、西側の村へ行ってみようか?2019/05/18

またの名

9
映画論についての解説なのにも関わらず具体的な映画の話がほぼ出てこないので専門家による怒られを回避してるという、そんな手を使って良いのかと驚かされる本。ベルクソンがふと書いた「記憶の中に身を置く」等の言葉の綾を文字通りに受け止め「どこに?」と小ボケめいた疑問を発し、ベルクソン自身が書いてない個々の現在を離れた過去一般という潜在的なイメージが保存された空間を浮かび上がらせるドゥルーズの手法を、ドゥルーズの映画論を読み解くかたわら同時に可視化する。本書のみで映画を理解するのは難しいけどドゥルーズ論として画期的。2020/07/11

tyfk

3
むかし買った『シネマ』英語訳のうち、Cinema 1 The Movement-Imageはなんとか読んだけど、Cinema 2 The Time-Imageがどうにも進めず頓挫しかかってた。 ベルクソン『物質と記憶』『創造的進化』とドゥルーズ『シネマ』どこがどうつながり、どこが違っているのか、詳しく解説してあってよかった。2023/04/24

すずき

3
1回休んだからか2章終盤あたりから半分くらい分からなくなった 一つ一つの点もわからんしわかっても繋がって線にならない 多分私の頭が足らんせいでしょうが、にしても入門的解説書としての「ゼロから読む」はさすがに無理では、これ哲学もベルクソンもドゥルーズも全く知らないで理解できる人さすがにいる???元々修論だしね とはいえ「素朴に読む」「見たままに読む」という意味での「ゼロから読む」なら大いによくわかる 別に入門書と銘打たなくてもいいのでは(ゼロから読んでわかる人には入門レベルなのかもしれないが)2019/03/29

ルンブマ

2
これ→(福尾匠講義「5時間でわかるドゥルーズ『シネマ』」:クロニクル、クロニクル! http://www.chronicle-chronicle.jp/news/1295) とあわせて読むとより良いと思います。2019/10/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12979679
  • ご注意事項