内容説明
米中貿易戦争は序章に過ぎない──。北朝鮮、技術覇権、南シナ海をめぐる強硬な外交によって激しく衝突している両国。「新冷戦」とも言われる、この対立の背景に何があるのか? 2021年に中国共産党100年を控えた「アジア新皇帝」習近平の壮大な野望とは!? 日本有数の中国通ジャーナリストが、「習近平外交の全容」を長期取材に基づき読み解く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
18
中国ワッチャーのジャーナリストが、中国における習近平体制の確立とトランプ大統領就任から、昨年秋までの「貿易戦争」に至るまでのプロセスを、北朝鮮情勢を絡めながら、ほぼ時系列に整理したもの。米中の報道をリアルタイムでつぶさに収集して書かれており、事態の展開が生々しく、かつ読みやすい。流れを追うには適当。ただしあまり深みは感じられず、特に貿易が問題になっているのに、その背景にある経済構造がよく見えない。トランプのバッシングは選挙対策だろうが、アメリカ多国籍企業の動向がよく見えないのだ。食い足りない印象。2019/02/17
ちくわん
17
2018年11月の本。終章にある2020年11月の、まさにその日に読了。相性のよい作家さん。細かいことまで書いてあり、勉強になる。さて、大阪に続いてアメリカはどうなる?2020/11/03
mazda
13
2年前の本ですが、この頃はまだ北朝鮮が駄々をこねていて、中国とアメリカがまだ関係良好だったんだな、と懐かしく思いました。また、中国の工作活動が活発で、トランプを丸め込めると考えていたことが明確でした。今となってはまだ当時の方が関係がよかったと思いますが、自ら墓穴を掘って後戻りできない状況を作った中国を、世界各国で注視していく必要があると思います。2020/08/20
ランラン
8
中華民族の偉大なる復興と掲げて前面に押し出してきた習近平。想像だが組し易しと見ていたトランプ大統領がまさかここまで対抗してくるとは思わなったであろう。鄧小平が野望はあっても米国と衝突することだけは避けてきただけになぜ習近平は前面にでてきたのであろうか。それは抵抗勢力を排除し政治基盤が盤石になり、憲法改正により任期を無期限にすることで自信を深めたことと、トランプ大統領の訪中時にディールを行いそれを喜んだ発言を聞き慢心したからなのかもしれない。2019/09/05
sakadonohito
5
トランプと習近平の外交ペチペチ。最初習近平はトランプを組みしやすい相手と甘く見ていたのが分かる。トランプは少年漫画の主人公のように感情で最短距離を正面突破しようとしてくる。それが意外にも中国を苦しめることに奏功しているように思えた。沖縄尖閣台湾香港南シナ海の領域問題、トランプからバイデンに変わってどうなっていくのか気になるところです。2021/05/29