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内容説明
日本の経済力は3分の1以下に縮小。原因は「人口減少」や「高齢化」なのか? いや違う。グローバル資本とその片棒をかつぐ構造改革派が「対米全面服従」を推し進めた結果、日本は転落。格差社会を生み出したのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
32
日本経済の転落をもたらした真犯人は「米国と日銀と財務省」。特にプラザ合意以降の米国による日本買いたたきによる影響が大。この本で一番の驚きは、日本のGDP世界シェアが20年で1970年と同じ6.2%にまで下がっているのにもかかわらず、富裕層(HNWI:百万ドル以上の投資可能資産保有者)が米国(528.5万人)に次ぐ第二位(316.2万人)であること。日本のPHNWIの人数が世界に占める割合は17%と結構多い。因みに超富裕層(3千万ドル以上)は米国:81,340人、中国:24,965人、日本:17,855人2020/05/20
tetsubun1000mg
14
朝のTVでたまに見かける事が有りましたが、このような日本経済失墜の分析をしていたとは知りませんでした。 不良債権処理を進めた結果、競争力を落として外資に買いたたかれてしまったとは。 ただし残った家電、自動車などの日本の企業も世界で勝負していく先端技術、商品開発力は持っていないように見えます。 森永さんの分析視点は面白く、今振り返ると正しさが理解できる点も多いと思いますが、当時賛同される経済学者はいなかったのでしょうか?2019/10/18
tolucky1962
13
日本のGDP世界シェアが20年で17.5→6.5%。少子高齢ではない。85年プラザ合意で円高を受け入れ以降,日本企業の海外移転,バブル崩壊と外資の日本株増,不良債権。地価上昇から急落で企業資産が不良債権化し二束三文で海外のハゲタカに奪われ大企業も潰れてた。大規模計画的事例を示す。新自由主義者も,逮捕者や今もいる人を実名紹介。政策は対米全面服従と批判。エピローグ,米国に従う理由は意外だった。日本人はまっとうに働くが,世界に遅れる理由。少子高齢化だけでなく本書の見立ても確か。原因はひとつでないでしょうが。 2020/06/07
小僧武士
7
『ハゲタカにとって望ましい戦略は、銀行に不良債権を吐き出させ、そこで一儲けした後、不良債権から解放された大手銀行を買収する。そこで日本政府に働きかけて、インフレターゲットの導入や量的金融緩和でデフレの収束にかかる。そうすれば、銀行本来の儲けが出てくるから大儲けができるのだ。米国の言う事なら何でも聞くというのは、プラザ合意以降の日本政府の対米全面服従路線をみれば明らかだ。』意図的にデフレ不況を造り出し、破産した日本企業を二束三文で外資に投げ売っていた。こんな不条理を許す日本人を我ながら不気味に思う。2019/05/10
まつけん
7
テレビ・ラジオの活躍も多い経済アナリスト 森永卓郎著、かなりインパクトのある一冊。当時の自分を振り返ると、まさに耳心地の良い勧善懲悪的な劇場政治に翻弄されていたと思いますし、マスコミの影響力の大きさをあらためて感じます。繰り返し登場する「対米全面服従」という言葉が、現在の日本の様々な事象の背景に横たわっていることを哀しく思います。そして、エピローグで語られる「対米全面服従の始まり」の仮説には、大きな衝撃を受けました。2019/04/11