内容説明
新学習指導要領が打ち出したメッセージ、それはズバリこのようなことではないか。“2020年代、日本の教育は「探究モード」へ転換する”。これからの授業は、個別バラバラの知識の単なる習得ではなく、習得した知識を繰り返し活用・発揮させ、バラバラだった状態から、相互につながり合い構造化されたり身体化されたりして高度化し、適正な態度や汎用的な能力となっていつでもどこでも使いこなせるようになる、まさに「駆動」しているような状態を目指す必要がある。本書は「主体的・対話的で深い学び」とりわけ、最も重要であるにもかかわらず、最もイメージしにくいと言われている「深い学び」を取り上げ、その具体を明らかにしていくことを試みる。連日数多くの学校に足を運び、新学習指導要領を伝え届けている著者・田村学(國學院大學教授/文部科学省視学委員)の現場感覚に裏打ちされた理論を、今まさに改訂を真っ正面から受け止め、新しい授業実践に立ち向かおうとしている先生方に贈る、渾身の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pengin
7
深い学びは生徒がいかに主体的に取り組むか。そして、実践例があったので、わかりやすかった。2023/08/17
Hachi_bee
6
pp.150-159のcase8「質問と応答」小学校1年国語科。ここで実践された「これはなんでしょうゲーム」は質問力をもの凄く上げるものと思う。それぞれの発達段階・成長段階にあわせてゲームをアレンジして、広い年代で実践したらよいのではないかと思った。2019/06/20
motoryou
5
再読。「深い学び」。学ぶことと生きることをダイレクトにつながるようにするってことだと思うけど。そういうのは、そもそも学校って生活から「学ぶこと」を取り立てて行うところ、みたいになっているところがあるんじゃないかな?なんて感じてしまう。学校で、その「深い学び」をしようとすると、学校そのものが変わっていくことも求められるような気がするなあ。どうだろう。2020/09/24
totuboy
5
主体的な学び、対話的な学びの二つは何となく授業でイメージできるが、深い学びとは何か。先の二つの学びとの関係はどうあるべきか、ということはいまいちわからない状態だった。田村氏はそもそも知識が活用され、学びになるとはどういう状態なのかをいくつかにパターン化し、説明している。具体的な事例も各教科、各学年にわたって紹介されており、非常にわかりやすい。また、「振り返り」の重要性を指摘している点も興味深い。自分の言葉で「書く」という行為がいかに有効なのかを改めて考えさせられる。2018/08/19
よしひろ
4
深い学びの原動力、杞憂知識の活用について理解が促進される一冊。2021/06/03