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内容説明
生息するプランクトンの種類や数で湖を観察すると、タフで豊かな生態系のようすが見えてくる。自然環境について、手前勝手な思い込みは捨てよう。人類が生き残るための、目からウロコの生態系論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
64
参考文献のために読んだ。教科書より生態系を面白く表現しており、発表するにはよかった。生態系の意味。システムからの相互関係、相互関係からの「食物連鎖や窒素、リン、太陽エネルギー」など動物が必要な生物的媒体と非生物媒体の関係性また、そこに細菌やプランクトン、バクテリアの参戦!!前半はそんな感じで、後半からは具体的な例をあげ、魚やミジンコを例に説明(;-ω-)ウーンいいすね〜2019/11/17
りょうみや
19
著者の本2冊目。専門は淡水プランクトンなので湖沼の生態系の循環の説明がとても分かりやすい。生態系といえば目に見えるようなある程度大きな生物数の推移ばかり目にいきやすいがそれは本当に表面的な見方だということがよく分かる。人間が良かれと思って保全していたり外来種を除去したりとしていることも本当に役に立つのか、そもそも人間にとって良い自然とは何かなど様々な面から考えさせられる。2022/05/07
大先生
8
【人間による活発な活動は生態系のバランスを大きく変化させ、変化した生態系の中に人間の居場所がなくなるかもしれない。人間の目に留まりやすい大型の生き物(例えば魚)ばかりに注目するのではなく、プランクトンのような目に見えない生き物が生態系を維持する重要な役割を果たしていることを理解する必要がある。また、在来種は善で外来種は悪という理解は本当に正しいのか?富栄養化した方が生物多様性は高まるのに水質浄化は良いことなのか?等など、生態系を正しく理解しないと、環境保全活動のつもりが逆効果になるかもしれない】と。2022/11/27
みどるん
7
生態系を誤解していた。人間がする保全活動は自分たちに都合が良い生態系を維持しようとするものだ。正しい生態系というものは存在しない。きれいな水とたくさんの魚が両立できないように、自分たちの理想を夢見るのではなく、行動が何を引き起こすかを理解しなければならない。2014/10/18
calaf
5
干潟というのは、巨大なヘドロの海。ヘドロというのは生物の多様性には最高の環境。逆に、魚が住む環境というのは、多様性の少ない環境。どちらが良い/悪いを決める前に、正しく理解する事が肝要。2011/04/11