筑摩選書<br> 骨が語る兵士の最期 ──太平洋戦争・戦没者遺骨収集の真実

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筑摩選書
骨が語る兵士の最期 ──太平洋戦争・戦没者遺骨収集の真実

  • 著者名:楢崎修一郎【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2018/07発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480016706

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内容説明

太平洋戦争における日本人の海外での戦没者240万人のうち113万人の遺骨がいまだに見つかっていない。太平洋各地で、旧日本軍兵士及び民間人約500体の遺骨を鑑定してきた人類学者──日本随一の遺骨鑑定人が、現地の島々の発掘調査の現場でいかなるトラブルを乗り越え、骨の特徴分析・DNA鑑定や戦史記録から身元を割り出してきたのか。全ての兵士の帰還を目指して現在も続く調査を、最前線からレポートする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

43
日本軍将兵の遺骨鑑定第一人者の記録。やや右寄りなのか、文中に「英霊」が何度も出てくるので抵抗があるかもしれないが、敵味方隔てなく遺骨を祖国に返す気持ちに違いはない。彼が戦没者の身元を明らかにすることで、遺骨が遺された家族の元に帰れるのだから。サイパンやテニアンは島民も巻き添えになった島のため、鑑定が難しいらしい。結構島で不思議な体験をした話が多い。ちなみに、著者はテニアン島で調査中に亡くなったそうだが、よもや戦没者に呼ばれたのだろうか。何れにせよ、本書から戦没者は土に還ってなどいないことが伺える。2021/05/12

小鈴

24
あっという間に読んでしまった。海外には113万人分の遺骨が眠っていて、海没などで収骨困難なものを除くと60万人分が収集の対象なのだ。法律が制定されて、人類学者がこの遺骨収集に関わっているのをはじめて知りました。もともと古人骨の発掘調査をしていた著者が戦没者の遺骨鑑定人となり、南洋の激戦地をまわる。玉砕、飢餓、処刑。。。全体の骨を掘り起こした写真を見るとつい手を合わせてしまう。見つかってよかった。収骨につきものの不思議な体験も。文庫化してほしいし、ドラマ化してほしい。具体的で映像が浮かぶ。最近の収骨の話。2018/07/20

tellme0112

15
すごい本が出た。図書館、ありがとう(納税意欲がわいてくる)。この方の、あの世とこの世を彷徨うような表現や、現地のトラブル、生身の人間の姿が好きです。胡散臭いと思われるかもしれませんが。死者に対する敬意がなくちゃ、慰霊はできないよなあ。死者をどう扱っているのか、収集しようとするだけまだいいのか…。それにしても、日本の残酷さ。まだ、戦争は終わってなかった。2018/09/29

CTC

14
7月の筑摩選書新刊。著者は10年より人類学専門員として外地での遺骨収集に従事する研究者。17回での500体の鑑定は国内最多だそう。現在でも海外に113万人分の戦没者遺骨が未収骨のまま眠っていて、収集の努力は継続されている。本書はその戦没者遺骨収集の実例が記されるもの。 著者は本書の中で何度か「骨が(我々の想像以上に)土に還らない」由を記している。実際本書には収集現場の写真が多数収録されるが、土の中にある遺骨はかなり原形を留めているように見える。まだ間に合う、という意味です。20年以内に私も、と真剣に思う。2018/11/28

月をみるもの

12
文字に書かれた歴史記録を完全に失った時、これらの人骨から戦いの記憶をどのくらい引き出せるのだろうか。。 https://biz-journal.jp/2018/09/post_24828.html2020/03/23

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