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内容説明
いま、過熱する「発達障害バブル」。専門外来では、予約から診察まで3か月待ちは当たり前といった状況が続いている。
わが子の行動やコミュニケーションに不安を抱く親たち。
仕事や人間関係の尽きない悩みに原因を求めるおとなたち。
皆、「生きづらさ」のよすがとして、「発達障害」という記号を求めているのではないか、と精神科医の香山さんは指摘する。
早く診断を受けて、適切な支援を受けさえすれば、この「生きづらさ」は軽減されるのか?
発達障害に関する分類や考え方は、まだまだ大きく変動しており、精神科医でさえ、その変動についていくのは難しい。
過熱する患者や家族の心理と変動し続ける発達障害診断。
「発達障害」はどこへ行くのか?
精神科医・香山リカさんが、生きづらさの原因を「発達障害」に求める人たちの心理と時代背景に斬り込んだ意欲作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Twakiz
42
性格的な面で「生きづらさ」がありそれがいろいろの体調不良につながっているひとは多いと感じる.「大人の発達障害」「自閉症スペクトラム(ASD)」と診断名をつけられること「病気なのであなたのせいではない」という説明に救いを感じる人も中にはいると思う.それで前向きにその人が生きられるならそれはそれで..よいのかも.ただし過剰診断や,それに基づくトンデモ治療ビジネスなどは有害.専門病院半年待ち・・て本当にあるんですね.コミュニケーション苦手なひとも(自分もそう)楽しく生きていける世の中がいいなぁ.2019/03/04
ぐっち
33
自分も息子も発達障害かも?と思いつつけて十数年。この本のタイトルと紹介に、まさに私のことか?と思って読んでみたものの、タイトル以上の内容はなく、ちょっとがっかり。自分だけの思い込みよりは、もう少しグレーゾーン寄りではあるような気もするのですが。2018/07/14
manamuse
31
この方、名前はよく見かけるし顔もどこかで見たことある気はするんだけど…結局なにが言いたいのかよく分からなかった。ラストの〜誰だって世界に二人といない「かけがえのない自分」〜で上手くまとめた感。製薬会社のキャンペーン(陰謀)による患者の掘り起こしは想定内。結局、発達障害を診断するのは現在の医療でも困難だということ。予約待ち半年とか…待ってる間に2次障害になっちまうよ…。2020/11/22
シン
24
★★★★☆ 仕事で一時期色々調べたが、 発達障害や心の病系は問題が多すぎると思う。 なんとかならんもんかね。 「専門家の間からも疑問の声が出ている その疑問の声の一つは診断があまりにわかりにくいということだ 特に大人の発達障害については世界の精神科医の診断バイブルDSMにもその記載がない 中略 診断の決めてが見つからず時にはゴミ箱的に診断が使われることもある また原因の一つとして診断ガイドラインも頻繁に変わり 医師もはっきり言ってそれについていけない」2019/01/12
Imax
21
片付けが苦手な自分のことを発達障害なのではと疑っていたが、私もただの「発達障害と言いたがる人」なのかも知れない。そういう人を生み出す現在の社会現象や発達障害の診断の難しさなど、いろいろ知ることができたのはよかった。ただ締めの章が、特別な自分でありたいから発達障害であることを望む人たちへのエールのような形で総括されていて、なんだかもやもや。平凡な自分であるのがイヤという心理より、前半で言及されていたような『できないことへの言い訳』でそう思いたい人の方が、私も含めて多いような気がするのは私の偏見なのかしら⁉2018/08/25