ちくま新書<br> 絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて

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ちくま新書
絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて

  • 著者名:小松貴【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2018/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071262

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内容説明

日本には名前がついているものだけで3万種近く、推定上は10万種の昆虫がいるとされている。しかし、そのなかで、すでに滅んだもの、滅びの道を歩み始めているものがいる。その状況に対して、保護活動が行われているが、綺麗なチョウやトンボ、ホタルや大型の甲虫ばかりが重要視されており、小さくてとにかく地味な虫は、おざなりに扱われている。そこで、日本各地にそれらの虫を探しまわり、発見するまでの格闘、発見した時の喜び、そして虫への溢れる思いを綴っていく。電子書籍版では、写真をカラーで収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tom

21
今朝のテレビで国蝶オオムラサキの羽化のことが放送されていた。オオムラサキ準絶滅危惧種。美しいから、注目もされる、保護もされる。しかし、この本に登場する虫たちは、絶滅危惧種なのに、見向きもされない。理由は簡単。小さくて、目立たず、毒にも薬にもならない。そして、環境のちょっとした変化で、ひっそりと絶滅に向かっているのかも。そんな虫たちのことを、延々と書き綴ったのがこの本。これが意外に読ませます。楽しませます。虫の美しさを語る著者の表現ぶり、虫の行動のディテールの書き込み、これが理由かも。この著者、好きだなあ。2018/05/29

17
鯨やオオムラサキのように目立つ生き物の絶滅危惧種は保護されやすいが、地味な虫は無視されがちだ。環境の悪化、昨今の天変地異の備えのための護岸工事やメガソーラー建設といった複合的な要因で、風然の灯火となった命を虫たちは必死に生きている。虫と同じく、人も必死なのだから、他種を絶滅させるのも仕方ないと思う。それでいてさみしいなと勝手なことを思う。小松先生の虫へのダダ漏れな愛情が爆発した本書がまぶしく、そして切ない。2018/12/28

itokake

14
外見が優美で体の大きな生物ばかり優先的に保護される。ルッキズムは希少生物の保護にも現れているのか。仕方がないではなく、なんとかしないと。そこでこの本。地味な虫にスポットライトを当てた。ヨナクニウォレスブユ、ゴヘイニクバエ…出会ってもわからない自信がある。オドリコナガカメムシ、スナヨコバイ…出会いに行っても出会えないんだろうな。エノキカイガラキジラミ、幼虫はけっこうかわいいけど、こういう視線がルッキズム。ウスバカマキリが絶滅危惧?二の腕のみに黒リング(肘から先は黒リングなし)のカマキリに注目していこう。2022/11/13

不純文學交遊録

13
NHKカルチャーラジオ「科学と人間」での熱い語りに魅せられて、小松貴さんの著書を読んでみた。登場するのは、ほとんどが1センチにも満たない小さな虫たち。絶滅危惧種とはいえ、自然保護や地域おこしの旗印とはなりそうにない。このままでは人知れず消えていく運命だ。そんな虫たちの独特な生態を、体を張った調査をもとに描く。人間嫌いを公言する小松さんだが、希少な昆虫の保護が学術的価値や虫マニアの願望ではなく、その社会的な意義をも説いている。2020/02/16

DEE

13
絶滅危惧種というと、昆虫でも大きくて見栄えのいいものばかりが注目されるようだ。 でも本当にヤバいのは、生態もよく分かっていないし、かなり苦労して探さないと見つからないような地味な虫たち。そんな虫たちをひたすら探す著者の本。 とにかく執念というか愛情というかが凄まじい。文章に老成した雰囲気があったのでわりと高齢の研究者なのかなと思いきや、まだ30代の若手研究者の方だった。 地味な虫に光を当て続ければ、とりあえず木を切っておけばいい、とりあえずソーラーパネルを作っておけばいいみたいな開発もなくなるかも。2019/10/17

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