内容説明
裁かれるのも「人」なら,裁くのも「人」のはず.しかし,私たちにとって裁判と裁判官はいまだ遠い存在だ.有罪率99%といわれる日本の刑事裁判で,20件以上の無罪判決を言い渡した元東京高裁判事が,思わず笑いを誘う法廷での一コマもまじえながら,裁判員制度,冤罪,死刑などをめぐり,裁判官の知られざる仕事と胸のうちを綴る.
目次
目 次
第一章 裁判は小説よりも奇なり──忘れがたい法廷での出会い
「法廷闘争時代」の幕開けに
右手を挙げて宣誓?
訓戒は無意味なのか
周平と鬼平を糧に
人定質問は最初のボタン
被告人からの手紙
最後まで迷うとき
裁判所と外国語
第二章 判事の仕事──その常識・非常識
紅茶を出されたら……
刑事裁判官vs.民事裁判官
実務家vs.研究者
一〇万丁事件──裁判は記録あってこそ
数学との縁
海外留学と『桜桃の味』
死刑の話
裁判官は事件を選べるか
背中に学ぶ
第三章 無罪判決雑感
「合理的な疑い」とは何か?
裁判vs.新聞記者
最高裁長官になるには
「自由な議論」のために
悪文のチャンピオン
人を裁く
第四章 法廷から離れて──裁判所の舞台裏
最高裁調査官の「魔術」と「錬金術」
人生の達人
マスコミ取材あれこれ
三大愚問に答える
転 勤──某支部の話
私の世代と戦争
裁判官が書いた本
法科大学院で教える
第五章 裁判員と裁判官──公平な判断のために求められるもの
国民の目線と少年事件
裁判官vs.弁護士
録・録の話
量刑の考え方──その1 「相場」ができるまで
量刑の考え方──その2 評議で大切なこと
冤罪論──裁判所の本音は
名もない顔もない裁判官
「判事の良心に二つはない」
絶望から希望へ
おわりに
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zero1
しげ
けんとまん1007
てつのすけ
てつ