岩波新書<br> 裁判の非情と人情

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岩波新書
裁判の非情と人情

  • 著者名:原田國男
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 岩波書店(2018/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784004316466

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内容説明

裁かれるのも「人」なら,裁くのも「人」のはず.しかし,私たちにとって裁判と裁判官はいまだ遠い存在だ.有罪率99%といわれる日本の刑事裁判で,20件以上の無罪判決を言い渡した元東京高裁判事が,思わず笑いを誘う法廷での一コマもまじえながら,裁判員制度,冤罪,死刑などをめぐり,裁判官の知られざる仕事と胸のうちを綴る.

目次

目  次

 第一章 裁判は小説よりも奇なり──忘れがたい法廷での出会い
  「法廷闘争時代」の幕開けに
  右手を挙げて宣誓?
  訓戒は無意味なのか
  周平と鬼平を糧に
  人定質問は最初のボタン
  被告人からの手紙
  最後まで迷うとき
  裁判所と外国語

 第二章 判事の仕事──その常識・非常識
  紅茶を出されたら……
  刑事裁判官vs.民事裁判官
  実務家vs.研究者
  一〇万丁事件──裁判は記録あってこそ
  数学との縁
  海外留学と『桜桃の味』
  死刑の話
  裁判官は事件を選べるか
  背中に学ぶ

 第三章 無罪判決雑感
  「合理的な疑い」とは何か?
  裁判vs.新聞記者
  最高裁長官になるには
  「自由な議論」のために
  悪文のチャンピオン
  人を裁く

 第四章 法廷から離れて──裁判所の舞台裏
  最高裁調査官の「魔術」と「錬金術」
  人生の達人
  マスコミ取材あれこれ
  三大愚問に答える
  転 勤──某支部の話
  私の世代と戦争
  裁判官が書いた本
  法科大学院で教える

 第五章 裁判員と裁判官──公平な判断のために求められるもの
  国民の目線と少年事件
  裁判官vs.弁護士
  録・録の話
  量刑の考え方──その1 「相場」ができるまで
  量刑の考え方──その2 評議で大切なこと
  冤罪論──裁判所の本音は
  名もない顔もない裁判官
  「判事の良心に二つはない」
  絶望から希望へ
   おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

78
【無罪判決は楽しい】と元裁判官は述べる。偽証罪の少なさ、訓戒の意味。判事は刑務所を見学すべき。再度の執行猶予は珍しい。冤罪の防止は議論が足りない。法科大学院と裁判員の意味。取り調べの可視化は何故必要か。少年犯罪に関する死刑と無期。軽く読めるコラムで、裁判官の人間らしさが分かるものの、【人生の場を否定するようなことは言いたくない】と裁判批判が無いのは物足りない。元裁判官が語らず誰が語る?編集者も踏み込むよう著者に迫れよ。名言多数(後述)。2023/03/03

しげ

76
裁判員裁判の上告審破棄率が約1割と聞きました。この数字の感じ方は様々ですが裁判員裁判の対象となるのは刑事事件の一部(殺人、誘拐、放火等)に限られ、近年増加一途の金銭、宗教の詐欺事案は残念ながら対象では無く今後の課題と思います。著者の原田國男さんも裁判員制度の意義に触れられており目線の近さを感じました。何より「遠山の金さん」や「鬼平」の情けを大切に思う感性に「法の番人」も普通の人だと安心しました。2023/04/23

けんとまん1007

72
どんな職業にも言えるが、実際のところは、ほとんど知らないし、思い込みでもないが、イメージだけが先行すると思う。裁判官や、それに関連する職業もそうだと思う。判決に至る日々の努力や判断基準など、伝わってくるものが広い。裁判官も人としての思いがあり、そこに立脚すること。白黒ではなく、黒とグレーの判断をすることなども、いわれてみると納得するものがある。一時期騒がれた法科大学院のことにも触れられていて、広く、他の職業についてもいえることだと思う。2023/05/08

てつのすけ

57
過去に読んだ元裁判官が著した書籍と異なり、「こういう裁判官ばかりなら、もっと司法制度が良くなるんだろな!」と思う内容であった。しかし、現実は、著者のような裁判官は少数であり、少数であるがゆえ、変えられないのではなかろうか。しかし、悲観していても仕方がないので、少数の裁判官に期待したいと思う。2020/04/14

てつ

53
裁判官だった人がエッセイのようなものを出すことはよくあるが、これは簡潔にして明快。面白かった。2017/10/08

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