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内容説明
仏教の膨大な経典を、どこからどう読めば、その本質を探りあてられるのか。
スッタニパータやダンマパダなどの原始仏典から、
般若心経や法華経など日本でも身近な大乗経典、
そして大日経をはじめとする密教経典まで。
17の主要経典を取り上げ、現代人が読み、味わい、
人生に取り入れるためのエッセンスを丁寧に解き明かしていく。
原典研究や現代語訳で知られる仏教学の第一人者らがやさしく誘う、
広大なる仏教世界への道案内。
【目次】
経典について
1 原始仏教の経典
スッタニパータ ── 最古の仏典
ダンマパダ ── 真理のことば
ジャータカ ── 一角仙人伝説をめぐって
ミリンダ王の問い ── インド人とギリシャ人の対論
2 大乗の経典
般若心経 ── 仏教のエッセンス
金剛経 ── あらゆる観念を断つ
浄土経典 ── 無量寿経と阿弥陀経
法華経 ── 一仏乗と久遠の本仏
観音経 ── 観世音による救済
維摩経 ── 沈黙と討論
勝鬘経 ── 王妃の説法
華厳経 ── 無尽荘厳の世界
楞伽経 ── さとりとぼんのうのたね
父母恩重経 ── はかりしれない親の恩
3 密教の経典
大日経 ── 如実に自心を知る
金剛頂経 ── 即身成仏の論理
理趣経 ── 愛欲は清浄か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
不識庵
12
原始仏典から密教経典まで、そのエッセンスを味わうことができる。中村元並びに執筆に参加した著者たちは幅広い読者層に平易に語りかける。碩学と呼ばれる人は、狭い了見にとらわれないのだと思った。「散策」と軽めの題名だが、往事の修行者は寺周辺の森林のなかをそぞろ歩きながら瞑想したので、失礼ではないという。つまり入門書として良である。読み終えて私のなかに深く残る人物は、釈尊と弘法大師空海である。今の私の理解だが、空海は多くのものを肯定しようと試みた人物だと考える。合理的である。ビジネスライクな狭い意味ではないが。2018/07/07
Tenouji
7
初心者には、やや難しい印象。それでも、気になるのは、密教系かな。2023/05/19
roughfractus02
7
「仏典を読む」シリーズで、著者は原始仏典から大乗までの展開を、ユーラシア大陸を舞台とし、風土と政治による変容過程として辿った。本書では編者として原始仏典の4経典、大乗の10経典、密教の3経典を仏教徒の「結集」による分派や三蔵の編集と各地の継承の歴史に重ねる。また、各筆者の文献学的検討も含め、仏陀、龍樹、玄奘三蔵、空海ら代表的人物達の仏典の読みや仏典と仏教建築との関わりへの言及もある。ギリシャ人王との対話、華厳経の壮大な宇宙を表現した東大寺の盧舎那仏、空海が唐から持ち帰ったとされる金剛頂経の紹介が印象深い。2021/04/21
ちぃ
4
智慧(明)と愚癡(無明)は対立する二者です。愚癡の無実体を了解することに智慧の本性があります。一方で智慧も本来実体がありませんからこれに執着してはなりません。(維摩居士、不二の法門)2024/01/27
ぎじぇるも
4
日本仏教に馴染み深い主な経典を紹介する本といった感じ。値段も安いのでそのうち本棚におきたい。図書館で借りたので。 経典を読むのは結構きついのだが、初めにこれを読むと内容がなんとなく入った状態で読めるのでおすすめ。