なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか - 「脱中華」の日本思想史

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なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか - 「脱中華」の日本思想史

  • 著者名:石平
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • PHP研究所(2018/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569837451

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内容説明

大和朝廷が儒教より仏教を重んじた理由とは? 江戸の儒学者や国学者が見つけたものは何か? 文明の独立自尊を守り抜いた、日本人の「知の営み」の凄さ! なぜ日本は、中韓から超絶した素晴らしい国になったのか。その秘密は、中華文明と果敢に対峙しつづけた日本思想史にあった。歴代の中華帝国は「中華文明」を振りかざし、周辺国に圧倒的な影響力を及ぼしてきた。しかし日本だけは、決して呑み込まれなかった。聖徳太子、最澄、空海、伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長はじめ、日本の偉大な思想家たちは何を考えてきたのか? そして日本人は、いかに「中華」を完全に排除し、世界でも類を見ない日本文明の思想的高みに至ったのか? 実は、中国からやってきた著者にとって、どうにも不可解なことがあった。どうして、江戸時代以前の日本の代表的な思想家はほとんど仏教の世界の人間なのに、江戸時代期に入ってからの代表的な思想家はほとんど儒学者なのか、ということである。この疑問について考えていくなかで、著者は様々なことに気づく。仏教も儒教も、6世紀頃、ほぼ同時に日本に伝わってきたはずなのに、日本人の受容の仕方はまったく違っていた。それはなぜなのか? また、江戸時代に儒教を取り入れていながら、儒教国家であった中国や朝鮮のような国にならなかったのはなぜか? 対中関係という視点から見ることで、日本思想史はこれまでの「日本人の常識」とはまったく違った貌を見せはじめる。北京大学哲学部卒・山本七平賞作家による、独創的かつ驚愕の「日本文明の謎に迫る知的冒険」。 【目次】●序章:思想としての「中華」とは何か ●第1章:飛鳥・奈良時代――脱中華から始まった日本の思想史 ●第2章:平安から室町――仏教の日本化と神道思想の確立 ●第3章:江戸儒学の台頭と展開――朱子学との戦いの軌跡 ●第4章:国学の快進撃――日本思想史のコペルニクス的転回 ●終章:幕末と明治――儒教の復権と国民道徳の形成

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆきこ

26
「脱中華」に主眼を置いた日本思想史。古代から順を追って丁寧に論じられているため、明治期までの流れがとてもわかりやすかったです。終章とあとがきで少し触れられている明治から昭和への流れがとてもおもしろかったので、ぜひ続編を書いてもらいたいです。2019/05/26

niisun

16
ちょうど飛鳥時代の古事記誕生秘話をテーマにした小説を読んだばかりだったので、大陸に現れた脅威“唐王朝”に対するための天智、天武の中央集権化や、聖徳太子の仏教奨励の話はとても良く理解できました。また、日本的仏教の形成過程も良く耳にする話ですが、簡潔で分かり易くまとまっていました。一方で江戸期の朱子学から国学への流れは不勉強だったため、とても勉強になりました。“道徳”の教科化が話題になっていて、扱われる“道徳”の怪しさも指摘されていますが、その違和感の源、あるいは“道徳”の正体が、少し、垣間見えた気がします。2018/05/21

isao_key

14
タイトルに惹かれて購入したが、内容は飛鳥時代から始まる日本思想史。なので、タイトルの問いには正確には答えていない。ただ石平さんならではの日本史、日本思想史の考えが出ていて面白かった。日本仏教が思想としての厚みと創造力を亡くした端緒は、平安時代から進んだ仏教の大衆化と簡素化によるもの。一般大衆を救済するために極限まで簡素化され念仏や題目を唱えるさえすれば極楽往生できるのであれば思想はもはや必要なくなる。素行は「日本が中華だから日本が素晴らしい」といい、宣長は「日本は中華でないからこそ素晴らしい」という。2018/03/04

ムカルナス

13
日本は歴史上、国防の危機には中国流の強力な中央集権体制で切り抜けようとしてきた。最初は白村江の戦い後に中国王朝を模倣して強力な中央集権国家を作ったこと。二回目は黒船来航以降、敗戦まで天皇中心の神道の中央集権国家かつ思想は忠孝を骨格とする儒教的イデオロギーとしたこと。そして敗戦により神道も儒教も否定され日本は精神的支柱をなくしたままである。本書は古代から日本が仏教、儒教等の外来思想を受け入れつつ日本化させ江戸時代に国学を誕生させるまでの思想史だが今一度日本の精神は何かを考えるのに良いガイドになると思う。2018/05/10

Ryoichi Ito

10
飛鳥時代には中国に対抗するために儒教を拒否した日本だが,徳川幕府は朱子学を御用学問として採用した。朱子学は伊藤仁斎や本居宣長らによってそのインチキ性を暴露されたが,明治政府はこれを國の基本倫理とし,教育勅語として国民に押し付けた。その結果ミニ「中華」を目指した日本は壊滅する。現在,中華人民共和国はまさに「中華」たらんとしている。日本は中国の呪縛を逃れることができるだろうか。 著者は日本に帰化した中国知識人。儒教と日本人の関係を簡潔な文章で明らかにしている。2018/01/23

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