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内容説明
伝統絵画と西洋画の接触が産み落とした、近代日本画という新たな表現。それは明治以後の画家たちに、近代とは、西洋とは、国家とは何かという不断の問いを突きつけることとなった。国家主義を揺籃とした明治期、皇国感情のなか成熟を迎えた大正・昭和初期、そして戦後に浮上する日本画滅亡論を超えて、日本画はどこへ向かうのか──。その成り立ちと多様性を時代ごとの様式の変遷から描ききる、圧巻の百年史。
【目次】
序 論
第一章 江戸時代
1.江戸後期/日本画のはじまり
2.幕末明治/プレ近代日本画
第二章 明治前期
1.明治十年代後半/一八八〇年代
2.明治二十年代/一八九〇年前後
第三章 明治後期
1.明治三十年代/一九〇〇年前後
2.明治四十年代/一九一〇年前後
第四章 大正・昭和初期
1.大正期/一九一〇-二〇年代
2.昭和初期/一九二〇-三〇年代
第五章 戦中・戦後期
1.戦中期/一九三五-四五年
2.戦後期/一九五〇年前後
終章 日本画の今日的問題
1.「場」の問題
2.日本語と日本画
3.今日的状況、展望
年表
参考文献
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
14
近代日本画とは何だったかを、江戸後期から戦後にかけて(まぁ、近代なのだから・・・。)読み解いた本。一言で言ってしまえばそうなるのだが、その内容は非常に示唆に富んでいて、考えさせられる内容だった。要再読。2018/03/19
吟遊
11
明治以降の、西洋入り込み、ハイブリッドになった日本の絵。江戸後期から取り扱う。2019/12/06
クサバナリスト
8
明治維新と共に文化のひとつである美術も、政治的な影響があったこと等も語られている。知らない美術家もあり、調べながら読了。2018/03/24
邪馬台国
4
なんというか、本書の締めがあまりにスカッとした終わり方でなんだかなあという読了感。このまとまりきらなさ、腑に落ちなさも含めて日本画なのだとしても……2019/02/21
gorgeanalogue
4
個人的な事情で二月ろくに本が読めなかった。まったくもう。で、やっとこれ読了。うーん。おもしろくなかった。言ってみれば「近代」の矛盾を描くという大問題で、しょうがないところはあるけど、前半は羅列に終わって少しも頭に入ってこない。終章は問題提議をするのがやっと、というのは言い過ぎかな。2018/07/29