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内容説明
多くの世界的なヴァイオリニストを育てた「スズキメソード」を考案した鈴木鎮一氏による、愛に満ちた教育論を収録した名著。子どもの才能を育む教育論は、音楽関係者のみならず、教育関係者からも読み継がれてきた。「才能は天賦のものではなく、育てられるもの」という強固な信念を持った鈴木氏は、子育てに有益な至言を数多く残しています。人生が変わるかもしれない力を秘めた、名著中の名著といえるでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デコボコ
7
急がず、休まず、くり返し、くり返す2015/08/01
isao_key
7
まだ年端もいかない子どもたちが、バッハやモーツァルトの難曲を楽に弾きこなし、その教育法で世界に驚きを与えた鈴木先生自身の著書。タイトルを見て少し大仰な感じがしたが、読み始めるうちにタイトル通り愛情を持って子どもたちに接していたのが分かった。副題の才能は生まれつきではないというのも、本文中繰り返している先生の信念であった。ソニーの井深大元会長が日本の教育でほんとうに独創的であり、成功しているのは漢字の石井先生とヴァイオリンの鈴木先生のお二人だと述べていたが、その通りだろう。すばらしい本に出合えたことに感謝。2013/06/11
Yuichi Tomita
6
再読。鈴木氏は、子供の才能を信じていることが伝わってくる。 立派な音楽家ではなく、立派な人間に育てば充分。繰り返し行うことの重要性。教えるのではなく、育てる。この辺が心に残った。 子供の才能を開花させるには、親の覚悟も必要だなと感じる。2020/11/26
M
6
「教えるのではなく育てることだ」 文章から滲み出る愛に偉大さを感じ、確かに優れた才能を有している人は世の中に五万といるが、それらの才能を育てていった人の存在があってこそだと考えさせられた。誠実に生きたいと強く思う。 「能力は生命である」 「能力が能力を育てる」 「芸術の道は感覚と心と行為の美しさ、高さを求めることであり、それはもはや技術の領域ではない。精神の領域である。」 「右手の非凡な能力はどうして出来たか。繰り返しやったからだ。」 「勘とは合理的な経験を土台に瞬間的に働く確実性のことである。」2019/07/05
takam
5
本書を読んでスズキメソードなるものの存在を知った。著者は教育理論、とりわけ音楽教育における権威的な存在らしい。戦後の著名な音楽家を多数輩出した方らしい。本書を読んでいて著者はとりわけすごい才能に恵まれていたように感じない。トルストイから影響を受けた考えに基づいて、愛と誠実さを持って子供や親に向き合い、子供に新しい能力を与えて、開花させていったようだ。繰り返し練習するということが大事だと再三書いてあるが、そのとおりだと思う。何事にも王道はなく地道にコツコツと積み上げていくしかないという主張には同意。2018/09/07