ヨイ豊

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ヨイ豊

  • 著者名:梶よう子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2017/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062938198

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内容説明

元治2年(1865)、清太郎の師匠・三代豊国の法要が営まれる。広重、国芳と並んで「歌川の三羽烏」と呼ばれた花形絵師だった。歌川の大看板・豊国が亡くなったいま、誰が歌川を率いるのか。弔問客たちの関心はそのことに集中した。清太郎には八十八という弟弟子がいる。粗野で童のような男だが、才能にあふれている。己が三代に褒められたのは、生真面目さしか覚えがないのに。──時代のうねりに、絵師たちはどう抗ったのか!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はたっぴ

89
江戸後期の浮世絵師、歌川豊国(二代目国貞)の半生を興味深く読了。年末に読んだマハさんの『たゆたえども沈まず』が、ゴッホを主人公として浮世絵などの日本画にもスポットを当てたものだったので、今回この作品を読み、江戸から明治にかけての浮世絵の流行と衰退、西洋でのジャポニスムの影響を改めて実感した。今朝の日経新聞の美術欄で偶然にも国貞の作品を目にしたが、『ヨイ豊』を読んでいなければ流してしまったはずで、こういう視野の広がりが何より嬉しく、また〝読書〟の素晴らしい効用なのだと思う。2018/03/13

のぶ

70
江戸末期の絵師の姿が活き活きと描かれていると同時に、背景に浮世絵や江戸幕府へのエレジーが漂っている作品だった。人気絵師、三代目歌川豊国が亡くなるところから物語は始まる。清太郎は四代目を襲名するも卒中に倒れる。時代は黒船が来航し、倒幕に向けた内乱が発生する。そんな状況の中民衆の娯楽である浮世絵を描き、刷り続ける絵師たち。このあたりの雰囲気がとても良く出ていて、活気のある中で何か切ないものを感じていた。タイトルの「ヨイ豊」も何か意味深だ。優れた時代小説だった。2018/02/27

ぶんぶん

20
【図書館】梶よう子に嵌まり「ヨイ豊」を読んで見た。 凄いドラマだ、豊国が広重が北斎が生き生きと書けている。 豊国自体にそんなに興味が無かったが、苦労した生き方に共感が持てる。 清太郎と八十八の生き方を通じて「浮世絵」を何とか後世に残したいという想いがヒシヒシと感じられる。 周囲を描くことで清太郎の生き方を浮かび上がらせる筆致は流石です。 直木賞候補も伊達では無い、梶よう子の面目躍如である。 ヨイ豊と馬鹿にされても、左手一本で描こうとした豊国の生き様が凄い。 時代という怪物は怖い。 2019/09/19

Fondsaule

19
★★★★☆ 歌川国貞や二代国貞 がどんな浮世絵を描いていたのか知らなかったので、ネットで調べながら読んだ。 徳川の世から明治へ、江戸の絵師たちの生活はこんな感じだったのかなぁ。2019/02/26

タツ フカガワ

16
幕末期、江戸の錦絵を牽引してきた歌川一門は広重、国芳、三代目豊国を次々と失うなか、四代目豊国の後継と見られたのは清太郎(二代目国貞)だった。周囲から豊国を襲名するよう勧められるが、清太郎は固辞。ところが明治になって突然豊国を襲名する。終盤、「ヨイ豊」の意味がわかり、清太郎が抱えていた屈託が明らかになるところでは涙腺が……。終章も素晴らしい幕の閉じかたでした。2018/11/10

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