縄文の思想

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縄文の思想

  • 著者名:瀬川拓郎【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 講談社(2017/11発売)
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  • ISBN:9784062884549

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内容説明

縄文人のリアルな思想、彼らの他界観や世界観など生き方を律した思想が、海辺や北海道、南島という日本列島の周縁に生きた人びとの、弥生時代以降の歴史に光を当てることで明らかに。縄文は単なる失われた過去ではなく、周縁の人びとの生を律する思想として、上記の人びとのなかに脈々と生き続けてきた。考古学、神話学、民俗学を綜合し、もうひとつの日本列島人の歴史を描くこれまでにない縄文論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

23
アイヌのなかに古代海民と共通する神話があるのはなぜかというところから、海と山を往還する神という縄文の思想が古事記など古代の日本文化に反映されているとする著者の考えは興味深い。縄文遺跡で他殺とみられる人骨はわずか20体ほど。縄文時代の社会は暴力と無縁であった!特徴は自由・自治・平等・平和であり、それは縄文の神のもとで日本全体がひとつの共同体であったという発想。弥生時代になり共同体同士の競合があったが、海民として受け継がれた。「現代に生きる私たちが、縄文の思想を生きることは可能なのではないでしょうか」と結ぶ。2018/09/17

月をみるもの

19
余市のフゴッペ洞窟に残された壁画と装飾古墳、奥尻島青苗遺跡の墓と茨城の磯崎東古墳群の墓、それぞれの共通性は北海道の続縄文人と本州の「海民」との密接なつながりを示唆している。そして道東へと進出した続縄文人は、そこで樺太からやってきたオホーツク人に出会う。ゴールデンカムイが無事最終回を迎えたら、あらためて樺太編を再読しよう。2021/11/07

takeapple

19
縄文の思想というよりも、縄文の認知システムとしての文化とか、世界観というべきだよねと思いながら読み進めていたが、終章最後の部分で、著者が思想とした理由に納得。弥生以後も南島やアイヌ、海民の間に残っていた縄文由来の、自由をこれからの日本社会に生かすべきだし、破綻してきた近代国民国家を超える枠組みを、縄文の思想を基に創ろうということを言いたかったのですね。それが瀬川さんが網野善彦への1つの回答としているんだなあと読みました。2018/04/29

fseigojp

17
海浜、山地、北海道、南島に縄文は生き残った2018/05/13

ぽんくまそ

16
この本の主役は「海民(かいみん)」と著者が名付けた、主に九州北西部を拠点として日本全土・朝鮮半島の沿岸や島々にいた縄文の末裔一派だ。縄文の思想は最初と最後に出てくるだけだが、そこへ到るまでのプロローグが面白いというわけだ。著者は北海道旭川市で主にアイヌ関係の研究をしているが、視野が北海道を越えて広い。フゴッペ洞窟の岩絵などはオーパーツ(何でやねん遺跡)だ。そのオーパーツが九州の海民のしわざであるとすると、解釈できるというわけだ。海民は異文化の伝達者であり、頑固で柔軟であった。行き先には果てがなかった。2018/01/09

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