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内容説明
カップ一杯のコーヒーの中には、芳醇なロマンに満ちた「物語」の数々が溶け込んでいます。その液体を口にするとき、私たちはその中の「物語」も同時に味わっているのです。コーヒーの歴史を知ることは、その「物語」を読み解くことに他なりません。歴史のロマンを玩味するにせよ、知識欲の渇きを潤すにせよ、深く知れば知るほどに、その味わいもまた深まるというもの。一杯のコーヒーに潜んだその歴史を、一緒に辿ってみましょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
355
タイトル通り、世界全般のコーヒー通史が分かりやすく読めた。珈琲と翻訳したのが幕末の蘭学者・宇田川榕庵(うだがわ・ようあん)と知って納得。榕庵といえば「細胞」の名訳を編み出した人。中国語では、口ヘンだったのを王へんに変えた。飲み物なので口ヘンが妥当だとは思うが、あえて王ヘンにして”珈琲”といした榕庵の慧眼に感服、単なる嗜好品でない珈琲の高貴感がこの文字から感じられる。現代日本の「自家焙煎御三家」の位置づけも明瞭でよかった。2025/02/03
kinkin
124
珈琲が世界に広がった背景と世界史のなかの珈琲について。自分自身珈琲は好きでもその味がどうかといわれるとあまりわからないし気にしないほうだ。どちらかといえば雰囲気で飲む方だ。タバコの煙とともにジャズの流れる店でのむ珈琲は好きだったなあ。中学生の頃はテスト勉強で珈琲を飲んでラジオの深夜放送を聴いている、それが好きだった。勉強の成績は全然です。そんな店も今はほとんどなくなってどこも同じようなスタイルの店やチェーン店ばかり。しかしそれも時代の流れ。そして世界史を大まかに知っておくともうすこし楽しめたと思う。 2019/07/01
おたま
65
私はコーヒー(インスタントも含めて)が大好き。1日に4~5杯ほど飲む。そんなコーヒー好きに、さらにコーヒーに対する興味を深めてくれる本。コーヒーの元となる樹木との付き合いは、ほぼ人類史と同等であるそうだ。エチオピア原産のその樹木は、人類の移動とともにアラビアに、そしてヨーロッパに、南米に、世界史の広がりと共に拡散していく。そして、近代にはイギリスのコーヒーハウスで、フランスのカフェで、政治論が激しく戦わされた。ナポレオンも大のコーヒー好きであったという。世界史の陰に、コーヒーの歴史があったのだ。2022/06/28
ニッポニア
62
一杯の珈琲で人はこんなにも幸せになれると思った午後に読む。珈琲の歴史とともに、喫茶店・カフェ文化も触れることができます。以下メモ。高級品、ジャコウネコの糞から取った珈琲、苦味がなく、柔らかな酸味と香りだという、猫にコーヒー豆を無理やり食べさせて作る業者も、虐待とみなされるかもしれないところ。エチオピアの噛み珈琲。コーヒー豆の買い占めがブラジルの貧困を生む。日本においてカフェは美しい女給が看板である水商売だった、お色気祖先の営業。21世紀、コーヒーはサードウェーブの機運が高まり、さて今後の展開は。2024/05/12
ルピナスさん
62
どちらかと言うと珈琲の現在と将来に興味があり、珈琲豆を選ぶ作業は色々な生産国へ個別に興味を寄せる事だと楽しんでいましたが、コーヒー栽培伝播と消費大国変遷の歴史を辿ることが、正に植民地支配の世界史を辿ることになるとは。壮大な歴史の流れを知り、お腹いっぱい状態です。現代に生きる人間として、地球温暖化によるアラビカ生産エリアの縮小や、高品質志向の背後にある新型さび病の流行など、生産者が新しい形の壁にぶつかる中、いつまでも珈琲が飲めるよう、珈琲を愛する消費者としてできる形で応援したいと思いました。2021/11/02
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