講談社学術文庫<br> 比較史の方法

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講談社学術文庫
比較史の方法

  • 著者名:マルク・ブロック【著】/高橋清徳【訳】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2017/07発売)
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  • ISBN:9784062924375

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内容説明

リュシアン・フェーヴルとともに「アナール派」を創始した歴史学者マルク・ブロック(1886-1944年)による最良の歴史入門。ソシュールの愛弟子アントワーヌ・メイエによる比較言語学の原理に依拠しながら、歴史において「比較」を行うことの意義と問題点が豊富な具体例とともに炙り出される。講演記録であるために読みやすく、容易に読み通せる簡潔さをそなえながら、本質的な問いに切り込んでいく稀有な書物。

目次

比較史の方法
原 注
訳者解説
訳者あとがき
学術文庫版への付記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

88
かなり勉強になった! 歴史学で比較をすることはかなり重要であることがわかるが、著者であるマルクブロックもその限界について言及していた。だが、一般通りのやり方をそのまま突き進めても行き詰まることがあったり、真実が見えてこないときもあるはず。そんなときに比較という別のアプローチで物事を見れば活路が見えてくる可能性がある。歴史学のやり方をすべて比較の方法でやるのではなく、1つのアプローチの方法として捕られるのがベストではないかと思った!2019/02/17

nagoyan

10
優。本文(註も含めて)は8頁から66頁まで。訳者解説、訳者あとがき、学術文庫版への付記を併せて67頁から130頁まで。比較史という方法論が、当時において支配的だった歴史認識の方法を革新した。そのことにより、開かれた新たな地平に生まれたのがアナール派の豊かな実り。ただ、内容は予備知識なしには、少々難しいかもしれない。本文の説明は淡泊で、後世の極東人には、必ずしも親切とは言えないだろう。そりゃそうか。2021/03/20

電羊齋

9
なぜ歴史研究において比較を行うのか、比較の方法とは何かを述べた講演録。「多数の瑣細な地方的事実の迷路に迷い込む」(p.27)のではなく、比較という方法により現象の一般的・基本的原因を見いだすことを具体例を挙げつつ説く。また比較の方法は単なる類似点の探索ではないことにも注意喚起している。訳者解説では、時代背景、素朴実証主義とそれに対するブロックらの批判を中心としたフランス史学史を懇切丁寧に解説してあるので、前提知識としてこちらを先に読んでから本文を読むのも一つの方法だろう。2021/01/31

africo

4
歴史分析の方法として比較を行うことにより、地域内(国家内)の分析だけでは見えてこない課題や原因の発見を行うことの重要性と道具としての有用性を説いた講演録。原著は1928年で、100年近く昔の問題意識に支えられた講演は、正直前提が理解できておらず「へー。ほー。ふーん。」で流してしまいがちであるが、訳者解説がフランス王政復古後からアナール派に至るまでの史学史やブロックの比較の方法の分析をがっつり、それこそ本文と同等の分量で補ってくれてあり、寧ろこちらが本体でよい気がする。解説の力というものを久々に感じた一冊。2021/07/29

Cebecibaşı

4
比較史、といった時に何をどう比較するかという自分の中の問を探るために読んだ。本書での比較史は、著者や訳者が指摘するように、地方史や国民史といった概念で囲いこまれた範囲の歴史をただ分析するのでなく、周辺地域や中央との比較を通してどう歴史的、地域的にある歴史上を位置づけるかを探るのがブロックの言わんとしているところであると捉えられる。このためブロックが議論の対象としているのは比較的近在の物を比較する方法とその有効性ということになる。2020/09/18

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