文春新書<br> あの戦争になぜ負けたのか

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文春新書
あの戦争になぜ負けたのか

  • ISBN:9784166605101

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内容説明

21世紀の日本人は「あの戦争」から何を学ぶべきなのか?
書籍の刊行から10年を経て、いまも読み継がれる名著、待望の電子化!

対米戦争の目的は何だったのか? 陸軍エリートはどこで間違えたのか? 特攻、玉砕、戦艦大和……開戦から敗戦までの疑問を徹底的に掘り下げ、20世紀日本最大の失敗を最高のメンバーが論じた。その議論は戦略論、組織論、日本人論、エリート論など広範囲にわたり、戦後70年を過ぎたいまなお、輝きを失わない。

議論された人物、歴史的な出来事などに詳しい注がついているので、近現代史の入門書としても最適。


【目次】
<第一部>座談会 あの戦争になぜ負けたのか
1.対米戦争の目的は何だったのか
2.ヒトラーとの同盟は昭和史の謎
3.開明派・海軍が持つ致命的欠点
4.陸軍エリートはどこで間違えた
5.大元帥陛下・昭和天皇の孤独
6.新聞も国民も戦争に熱狂した
7.真珠湾の罠 大戦略なき戦い
8.特攻、玉砕、零戦、戦艦大和

<第二部>あの戦争に思うこと
●空しかった首脳会議(半藤一利)
●八月九日の最高戦争指導会議(保阪正康)
●私の太平洋戦争観(中西輝政)
●果たされなかった死者との約束(戸高一成)
●戦わなかった戦争から学ぶということ(福田和也)
●戦争を決意させたもの(加藤陽子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

256
戦略なき開戦、無能で無責任な上層部...読めば読むほど気持ちが落ちた。それにひきかえ、前線の戦士たち「日本は一度、こういう無理な戦争をくぐり抜けなければ仕方ない運命。それを私たちの世代が引き受けるんだ」には思わず涙。「特攻隊」のイメージは、現代(そしてこの先永らく)において、国際関係の抑止力になってるというくだりには、目ウロコでした。対談形式で理解しやすい、日本人必読の書。2017/01/04

樋口佳之

23
特攻はこのように制度として正式に準備されていたということなのである。掌特攻兵の辞令をもらったら、この瞬間に体当たりを命ぜられた様なもの/このように制度的に準備をしておきながら、作為的に特攻の開始も、その隊員も、自発的なものであった、としてきたことであろう。政府は、死を命ずることの重さから逃避しようとした/無責任な指揮官は、部下の命を無責任に浪費した。この最大の現象を、特攻に見ることが出来る。2017/08/14

小太郎

19
戦争関係の本は結構読んでるつもりですがこの本は大東亜戦争の発端や経過についてかなり核心に迫った話が出てくるし大義名分だけじゃないリアルな裏話も満載でした。このメンバーを見ると少しリベラル系かなと思ったんですが、かなり深い考察がされていましたし目から鱗の話もありました。開戦は陸軍の暴走で海軍は引っ張られたんだろう、なんて思ってたけれど実際は諸々の事案が重なった結果だったんですね。あとは戦争中でもトップがアホだとしたが苦労する、まさに今日本で起こってる事と変わらなかったとは。2021/06/04

KJ

12
日本はなぜあの戦争を始めたのか?諸説あるその答えの中で、よく聞かれるものに「止むを得なかった」「そういう空気だった」というものがある。確かに今の空気の中で呼吸をしながら、当時の空気を愚かだと非難する事は容易い。しかしその空気を生み出したものは何か。第一はやはりメディアだろう。軍部の過ちを見抜く洞察力に欠いたというより、それをも承知で煽ったのではないか。「平和より戦争の方が面白い=部数が伸びる」という単純な論理が先に立っていたとすれば、メディアによる責任は重い。空気に責任を負わせる事ほど、無責任な事はない。2012/11/10

sibasiba

10
コミンテルンの工作についての疑い。指導陣の無責任さ。第一次世界大戦を体感していない日本。色々考えさせられる内容の座談会。2015/03/17

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