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内容説明
独特の魅力を放つ「浮世絵」は、いかにして生まれ、江戸期の象徴的芸術とまでなったのか? 庶民出の町絵師によって、庶民の興味を引く「美人・役者・風景」を題材にし、庶民の購買力によって支えられた浮世絵。本書は浮世絵を日本の近世から現代の美術史として通観する試みである。浮世絵とは、そもそも何だったのか――これを読めば、浮世絵のすべてがわかる、入門編にして決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
2
あっ…読書メーター、読了666冊目!? 道理で読み進めるのに難儀したはずだ…。内容的にはよかった部分と残念だった部分が半々といったところであります。よかった部分は錦絵以前の前期浮世絵史の充実ぶりと、江戸時代の絵画文化における浮世絵の位置づけ。残念だった部分は採り上げられている浮世絵師に偏りがあること。なんでこんなことになったのか?と考えると、現代の美術としての評価をそのまま江戸の浮世絵に持ち込んで論じているのですね。そんな姿勢で、果たして浮世絵を理解することに繋がるのでしょうか。星3つ。2018/08/07
Berlin1888
1
1995年刊行書の文庫化。黎明期から昭和平成にいたるまでの浮世絵史。近頃は明治維新否定+江戸の理想化という風潮もあって「明治政府は江戸の文化を否定した! 浮世絵は二束三文で海外に売られてしまった!」とのたまう方々が目につくのですが、それ以上に浮世絵に大打撃を与えたものは関東大震災。海外流出のおかげで震災から逃れることができたのです。20年前の本なので写楽の阿波藩士説は一蹴されていたりするんですが、世界三大肖像画家については誰が選んだとは触れないで一般論の扱い。クルトを騙ったデマなのは著者は知っていたのか。2017/10/12