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内容説明
日ごろ意識することは少なくとも、初詣や秋祭り、七五三のお宮参りと、私たちの日常に神社は寄りそっている。我々にとって、神とは、そして日本とはなにか? 民俗調査の成果をふまえ、ごくふつうの村や町の一画に祭られる「氏神」や「鎮守」をキーワードに、つねに人びとの生活とともにあった土地や氏と不可分の神々や祭礼を精緻に探究。日本人の神観念や信心のかたちとしての神や神社の姿と変容のさまを、いきいきと描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
57
古来列島の民は大陸から「渡来」物は積極的に採り入れ「習合」させてしまう貪欲さがあります。 天津神と国津神とで分けて考えると、天孫降臨した渡来系の神と出雲を中心とする固有の神とになりました。それぞれ鎮守の神と氏神とになるでしょうか。(個人的見解) 服(まつろ)わぬ有力者は「鬼」と呼ばれ成敗されました。不本意ながら死んだ旧領主たちの怨恨を邪気祓いをする神とされ、鎮守の神は王化の末に従えた領地を外敵から守る橋頭堡でもありました。
tama
12
図書館本 書架で チコちゃんちによく来ているひげの先生だから分かり易いはずと思ったがそうでもなく、何より私の勘違いで知りたい内容とは違った。私にとって山神とは宮沢賢治の「狼森と笊森、盗森」同様、新来者が住みつく場所に古くからいた何者かで意思疎通ができる。更にその後そこで亡くなった新来者の肉親が低い裏山に葬られて加わったのが氏神、そして遠くに聳える白いお山は田植えや田起こしの時期を知らせる大歳神。新来者は山神達に断りを入れて土地を貸してもらう。鎮守は余所者を従わせるのが第一目的。2022/03/29
六点
9
日本人の精神に深く根付いた神社が氏神から共同体の鎮守様に変遷して行った流れを歴史民俗学によって読みといているのだが、「特定の家の氏神」と「共同体の鎮守様」が21世紀になっても併存しているって、まるでミルクレープのように幾重にも重なった歴史の断面を見るが如くでありますなあ。2017/04/30
イツシノコヲリ(丹波國)
7
民俗伝承学を専門とする著者で他にも神社に関する著作が多くあるが、地方の神社の変遷を扱い、民俗伝承学に一番近い書籍であろう。隅田八幡宮は古文書など史料に恵まれているが、祭祀の担い手も時代によって変わり、現在の祭は近代以降に誕生したもので、歴史というのは変遷するものだというのを感じさせられた。また筆者の故郷の付近である安芸北西部の神社は、吉川氏・毛利氏などの移住してきた武家勢力による影響を大きく受けているといい、面白かった。2022/12/29
onepei
7
荘園鎮守、地方領主と神社の関係が興味深かった。2017/04/18