内容説明
美しくて楽しくて便利な旧かな――せつかくなら書き方もおぼえてみませう。
読む方にはなんの問題もないのですから、せつかくなら書き方もおぼえてみようか、といふのがこの本です。俳句なり短歌なりを作る場合はもちろんですが、ちよつと日記や手紙、メールなどでも旧かなですらりと書けてみると、なかなか気持がいいものですよ。
旧かなの魅力が満載。谷崎潤一郎『盲目物語』ほかの練習問題や、「かなづかひ対照表」などの附録も充実!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
6
仕事でも旧かなを全く見ないわけでもないし、図書館で古い本を借りれば旧かなといふことがないわけでもないので(主にハヤカワ・ポケミスな。昭和60年初版でも拗促音が大きかつたりするのだよな)、少しぐらいはお勉強しておかうといふ気持ちで読んでみた。新かなによつて削ぎ落とされてしまつたもののことや、旧かなが和歌・俳句の世界に残りつつも、いい加減に使はれてゐることへの著者の苦々しひ気持ちはよく伝わつてくるが、如何せん、絵本から義務教育からずつと新かなで育つてきて身としては、「さうですね...」以上のことは言へない。2015/11/23
Masakiya
4
和歌・俳句にそんなに興味は無いのだが、個人的に現代仮名遣いに迷いが生じ、歴史的仮名遣いを参照せざるをえないはめとなり、以前「シクラメンのかほり」は間違いで「眞鍋かをり」が正しいと教えてくれた著者の本を手に取る。中学の時に「現代語の文法もやらないうちに古典文法かよ」と思っていたのだが、口語は恣意的な変更による例外があって古典文法のほうが合理的、との著者の説明があって40年ぶり腑に落ちる。付録として「花散る」百態というのが載っているのだが助動詞の使い分けによってさまざまな表現ができるのだな、と感服。2022/05/01
dobrydenkrtek
0
旧かなを使う具体的な練習方法が書いてあるのが良い。しかしここで結局、古典文法と再会するとは…。あの表と品詞分解が究極に苦手だったことを思い出す。まぁ今なら前と違って意味がわかって練習できるかも。テストがあるわけではないのでのんびりやりませう。ただ旧かなを見る時、どうしても活字なら古い活字や字体との組み合わせでないとまだ気持ちがなんか悪い。古い本の字にはあっているけど、今風なものにはまだ違和感が大きくある。2018/04/27