内容説明
世界の人々が日本を訪れてまずびっくりするのが、鉄道の発着時刻の正確さ。また日本人は、生活で鉄道を使う人の数も世界のトップクラス。日本が「世界一の鉄道大国」と言われる所以である。そんな鉄道の歴史には、実はあっと驚く意外なエピソードがたくさんある。たとえば、いま普通に見られる女性専用列車は、実は大正元年に始まっていた。しかも女子学生への痴漢対策という理由で! また、いま太平洋の海岸沿いを走る東海道線は、はじめ中山道の山中を走る計画だった。それが消滅した原因はなんと清仏戦争にあった! さらに、いま千葉の新京成線は不自然なカーブが多いことで有名だが、その理由は旧日本陸軍が鉄道敷設の演習をした名残だから。このようなエピソードとともに鉄道の歴史を追っていくと、日本の近現代史をまた違った一面から知ることができる。また、日本人がいかに鉄道と切っても切れない深い関係にあるかが自然に納得できる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
9
鉄道ものは既出の知識のオンパレードになるので、どうしてもライターさんの色をどう出してくるのかに関心がうつるもの。この本では、戦争中の話に関心が強いみたいで、戦争による鉄道関係者の悲劇に多くページがさかれていた。泰緬鉄道での13万5千人中4万2千人が死んだ悲劇。その演習が新京成の線路の原型となった話、などは面白かった。2014/06/13
かど
0
どこかで見たようなネタがほとんどですが、これはこれで読んでて楽しいですよ。2014/06/29
rbyawa
0
e200、初めて見たレーベルだったんですが続刊あるのかしら? 巻末に山のような二次資料が並んでいるのですが、正直ありです、範囲広くてところどころ説明が正確ではないけれど、時代の中での鉄道の立ち位置がかなりわかりやすいです。新しく語られてることをかなり大胆に取り込んでるなー、という印象。一つの記事が2~4ページで黎明期から現代までなのですが日本鉄道と五大私鉄とか、馬車鉄道とか軽便とか、普段だと鉄道本では出てこないものが満載。結構政治とか資本家とかも出てくるし、その分有名どころも同じ長さです、今後に期待ですw2014/07/19