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内容説明
日本人は日記をつけるのが好きだといわれる。日本文学研究の第一人者ドナルド・キーンは、大戦期、戦場に大量に遺棄された日記を翻訳した際、日記が日本人の心に深く根づいていることを感じたという。では、なぜ日記をつける文化が日本人に広がっていったのか。本書では、「日記文化」の淵源を古代の宮廷文化に探りつつ、時代時代で日記がどのように展開していったか、その書き方や概念の変遷をたどっていく。
日本人は伝統的に日記好きだといわれるのはなぜか。古代の天皇の日々の行動を記録した実録にまで遡り、日記文化の広がりの変遷をたどっていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
53
勉強の参考に読んだ。面白いとか面白くないとかいうことではない、必要だから読書したという感じ。もう少し深く得た知識を自分のものにしたい、という欲はわいた。2016/10/10
tamami
49
平安時代の『紫式部日記』や『土佐日記』など、古典文学と言われるものから、近現代の『三太郎の日記』や文人、政治家の「日乗」や「日記」まで、内容や形式、名称に至るまで、実に多くの「日記」が書かれたことにまず驚く。そして名前もろくに知らない多くの「日記」を発掘、紹介している著者の探求の広さと深さに先ず敬意を表したい。「日記」の範囲をどこまで取るか難しいところではあるが、著者はかなり広くそれを捉え、膨大な「日記」を読み込み、文化史の名の下に、書き手や目的・内容・記述の仕方の変遷を辿り、時代による大きな流れを示して2022/06/09
こぽぞう☆
19
古代から現代の日記を網羅。興味のない分野も多く、飛ばし読みになってしまった。2016/11/18
浅香山三郎
11
内容は書名の通り、日記を記すといふ文化を通史的に追ふといふもの。新書でやつてしまふには大きなテーマで、各章での掘り下げが十分に果たせないのは残念だが、最後の2章はそれだけで1冊書けるネタで面白い。『ホトトギス』に掲載された近代の多様な日記、或いは『三太郎の日記』にみられる意識のあり方、それから「日記文学」といふカテゴリーの発明といつた、日記を巡る言説の話。 著者は平凡社新書での著作が多いやうなので、本書以外の本も読んでみたい。2017/06/25
keint
9
古代から戦前までの日記を実例を挙げながらその内容の変化を探っている。単に文学史だけではなく思想史やその時代の風潮を踏まえつつ日記を読み解いているところが面白かった。2020/04/10