内容説明
「言葉」を知ったら、今までは単に「声の羅列」にしか聞こえなかったものが、ジョークだったり、笑い話だったり、怪談だったり(猥談だったり)、ミステリーだったりすることに気付くように、音楽の裏には思いもかけない「世界」が転がっている。※本書は、2006年4月よりインターネット上に連載中のブログ「月刊 クラシック音楽探偵事務所」から抜粋し、書籍化にあたり加筆・再構成した作品です。
目次
第1章 バッハと五線譜の中の「暗号」(音楽の父にして「音楽暗号の父」
暗号素材は「音名」 ほか)
第2章 ショスタコーヴィチ、二重人格の「ファウスト」(ショスタコーヴィチに目覚める
「交響曲第一〇番」という怪文書 ほか)
第3章 モーツァルト「ドン・ジョバンニ」殺人事件(「オペラ」はとにかく人が死ぬ
四つの事件のあらまし ほか)
第4章 作曲家たちの「犯罪捜査」風プロファイリング(「作曲家」という奇妙な職業
作曲家と連続殺人犯の類似性 ほか)
第5章 プッチーニ「トゥーランドット」の謎(オペラの虚と実
ご当地ものオペラ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユウユウ
23
元がブログ記事ということで軽めの音楽こぼれ話。 トゥーランドットの章というか、クライマックスへのツッコミについては、同意したくなる部分もありました。2020/06/04
chie
12
クラシック音楽について、思いも寄らなかったことや、歴史的背景、オペラの概要、作曲家分析などがわかりやすくまとめられていて、面白かったです。第三章では、著者がクラシック音楽だけではなく、ミステリー好きであるのだなと納得。楽しかったです。この本に挙げられていない、クラシック音楽に纏わるミステリーは、まだまだある様な気がします。もっとクラシック音楽のことが知りたくなるし、実際に聴いてみたくなる本でした。2016/01/18
流之助
9
天才型の作曲家への僻みみたいな箇所はムムムと思いつつも、ドン・ジョヴァンニの真犯人探しの章はかなり楽しめた!ソ連の作曲家たちに関しては最近読んでいた本の前知識があったのでスラスラと頭に入った。こういう風に読書の流れがスムーズに運ぶこともあるんだなァ。2023/09/29
わった
7
面白かった。クラシック音楽の裏解説本、というところでしょうか。最初はミステリーというテーマらしく、音楽の暗号の解説から。密かに自分の曲に名前を入れ込んだり、オペラの一部を使って気持ちをやり取りしたり、なんとまぁオシャレな音楽ミステリー。作曲家の特徴、パターンの分析や、オペラのストーリーについて、もしかしたらこんな可能性があるのかも?という裏設定を掘っていったり。とてもおもしろく読了しました。2022/03/16
m
3
ミステリーの観点からクラシックを紐解く。シューマンの署名代わりの暗号や魔笛はドン・ジョバンニの続編説など。ありえないとも言い切れないのが面白い。2022/11/07