河出文庫<br> 山窩奇談

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河出文庫
山窩奇談

  • 著者名:三角寛【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 河出書房新社(2016/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309412788

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内容説明

箕作り、箕直しなどを生業とし、セブリと呼ばれる天幕生活を営み、移動暮らしを送ったサンカ。その生態を聞き取った元新聞記者、研究者のサンカ実録。一級の事件小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

41
最初から最後まで、何とも不思議な雰囲気が漂っている。ノンフィクションらしいが、かなり著者のアレンジも入っているのではないか。解説には <虚>を<実>であるかのように騙していたからといって「インチキ」の烙印を押して済ますわけにもいかないと書かれていた。過剰な演出や、やらせ番組が横行する今のテレビはもっと悪質かもしれない。江戸川乱歩のドロドロさを抜いて、むしろカラッとした怪しさが自分には楽しめた。2014/06/07

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

37
そりゃこんなの面白いって…明治〜戦前、幻の漂泊民・サンカと猟奇事件が絡む実話風の捕物と奇談だもの。私が三角寛の名を知ったのは学生時代、呉智英『インテリ大戦争』で「目茶苦茶面白い」と書いてあったのを見て以来。以後読む機会も持たず、三角寛のサンカ物は虚構だという情報さえ知った(この文庫の解説にもきちんと触れてある)。それと知った上で読んでも面白いのだから降参である。文章は少年読物張りの分かり易さと昔の良い表現とサンカ用語のミックスでぐいぐい読まされた。好きな文庫の一冊になった。絶版になる前に是非。2014/04/06

とんこ

25
表紙の雰囲気と裏表紙解説から、淡々とした資料を想像してたら痛快人情浪漫活劇みたいな感じでびっくり。とても面白く読了。創作の割合は多そうですが山窩の暮らしぶりや独特の符丁についてよくわかる。「岩の坂の貰い子殺し」とか、田地火=蝮とか、本筋以外も気になって色々スマホで検索しちゃった。山窩もの、三角作品も資料系も他色々読んでみたくなりました。2024/02/05

はる

22
図書館本。ずいぶんと昔、父親か母親が「ミスミカンのサンカ物語は面白かった。また読みたい」と言ったとき、ミス・蜜柑!なんだそれは?と思った子どものわたし。映画「瀬降り物語」もなんだか理解出来なくて、それから邦画を諦めたのだった。素直に三角寛を読めば良かったのか。怖ろしいはずだのに、このあっけらかんとした虚々実々!?きれいな水と手に技術、それに仲間がいればだな戸籍は要らないか。2018/09/04

あたびー

20
主に漂泊の民である山窩について大正から昭和初期彼らから採取した話を紹介した本。ドキュメンタリーなのだろうけれども解説によると虚実入り混じっているらしい。それは兎角初めて読む山窩の符丁や生活習慣に圧倒され、この世知辛い世の中で彼等はどうしているのだろうかと想いを致したりする。籠などの手工芸品を作る事に長け、人里にあっても気付かれず巧みに野外生活を営んできた彼らに今や山間部しか居場所はないだろうと思うが、今でも彼らは昔の生活を続けているのだろうか?2019/10/23

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