内容説明
仕事も、ほしい物も、自分でつくるのは面白い。
「ビジネス」でも「ワーク」でもなく、「趣味」でもない。DIY・複業・お裾分けを駆使した「ナリワイ」をつくり、現代社会を痛快に生きる方法論。
個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのでなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身に付く仕事をナリワイ(生業)と定義。具体的なナリワイのタネを生活の中から見つけ、1つ1つを自分の小規模な自営業として機能させ、それらを組み合わせていくことで、「働くこと」と「自分の生活」を近づけることを目指す著者の、人生を使ってつくった渾身の「たたき台」。
ポストグローバリゼーション時代の滋味溢れる働き方がここに。
非バトルタイプのためのゆるやかな作戦!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
88
大正時代には3万5千種も職業現在は2167しか職種がない。新しいナリワイ(食いぶち)を探せる著者の行動力。誰もが持てるものではないと思うが、若者の元気がなくなって閉塞感が漂う日本社会において働き方も斬新なアイデアが出せる人が明るい話題を運んでいる。2013/10/22
えちぜんや よーた
86
高度経済成長期を生き抜いた企業戦士から見たら、とんでもなく「ケシカラン」考え方。でも個人的には大好きですw そんなことを平気で言うのは、自分がどちらかというと高度経済成長の負の側面を背負わされた立場だからだろう。あえて与えられた環境から一歩身を引き、立ち止まってみれば、著者が主張していることは誰でも理解出来ると思う。ただし著者が主張していることは、多くの人にとっては現状の否定になる。その否定を受け入れられるかどうかは何か「ひどいこと」に巻き込まれないとできないと思う。ある意味、相当な苦行であるとも言える。2017/03/12
パフちゃん@かのん変更
62
時代は変わったな。京大大学院卒業の著者が、こういうしなやかでしたたかな生き方を推奨するのだから。大会社に勤めても今や終身雇用の保証はない。仲間と繋がりながら自分に出来ることをいくつも持って生きていくと言う生き方。保険に入るよりも「困ったら食わせてやる」という農家の友達を持つ(笑)1000万円の貯蓄があっても収入が0円で5万円ずつ減っていくよりも、貯蓄が0円だけど収入が10万円で毎月5万円ずつ残っていく生活の方がいい。2014/01/28
けんとまん1007
53
ナリワイ。生業。好きな言葉の一つ。暮らしを営んでいるという感覚に一番近い言葉だと思う。それを、カタカナで表現しているところに、著者の思いがあるように思う。無理なく、小さなことから始め、それをいくつも持てるようにしていくことこそ、リスクマネジメントになる。そこには、人との接点が欠かせないし、関わり方も違ってくる。お金に関しても、入りと出の見方を変えることで、価値観も変わるというのがいいし、そうだと思う。バブルの頃に戻そうという今の風潮(政治屋・官僚・経済界)自体に無理があるのに、思考の変換ができないのだ。2020/10/29
がみ
30
安定志向の生き方・働き方ってなんだろうか。公務員になること、大手企業に入ること、etc... 筆者は複数の仕事を持ち、複数の収入源を持つことで得られる安定もあるのだと説く。──会社を辞めるのがリスク、というのも確かだが、一方で会社に居続けることで何か他のことにチャレンジできるチャンスを失っている、という見えないリスクもあったりする。──本書が書かれたのは東日本大震災から1年後の2012年であり、働く・生きるという営みが根本から覆されたタイミングであった。コロナ時代の今もまた根本を見直すチャンスかもしれない2021/06/22