資本の世界史 - 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

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資本の世界史 - 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

  • ISBN:9784778314866

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内容説明

資本主義を考えるための必読書と絶賛され、各国で翻訳予定のドイツ発ベストセラー待望の邦訳登場!
資本主義はイングランドの片田舎で偶然生まれ、その後幾度もの危機に直面してきた。
にもかかわらず、いまや資本主義はわれわれの世界を規定さえしているように見える。
しかしそれはほんとうだろうか。
資本主義の寿命はどのあたりまできているのか。
多くの危機はその欠陥によるものなのか。
ドイツの気鋭経済ジャーナリストが歴史から資本主義の輪郭を浮かび上がらせる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

111
イギリスの片田舎で始まった資本主義の発展史をわかりやすくしかも読みやすく書かれています。書いたのはドイツ人ジャーナリストなのですね。それにしては珍しくわかりやすく今後の方向性も最後のほうに書かれていてドイツばかりか日本にとっても参考になるのではないかと思われます。2016/05/05

壱萬参仟縁

39
2013年初出。扱う範囲は古代ローマからユーロ危機までと長期に及ぶ(7頁)。アダム・スミスにとって市場は常に政治情勢や経済状況のなかに埋没したものだった(86頁)。シュンペーター(1942;2008)は資本主義の原動力は技術進歩と気づき、永遠に続く創造的破壊の嵐と称した(94、312頁下段)。ケインズは経済学を数式化された自然科学として扱い公式に流しこむのを是としなかった。数学で博士号を取っているのに。モラルサイエンスと呼称(201頁)。2016/06/08

Miyoshi Hirotaka

30
英国の片田舎で18世紀に生まれた資本主義は世界を変えた。19世紀には早くも「共産党宣言」が出版されたが、裏を返せば、資本主義の華々しい成功に嫉妬したようなもの。これをお手本とした社会主義国が20世紀に誕生したが、あっさりと失敗し、共産主義は自国民を統制するツールになった。一方、世界恐慌、ITバブル崩壊、リーマンショックなど、役者を変えて同じ演目を上演するような過ちが繰り返されてきた。資本主義は、誕生して250年の自然現象で、これらは初期故障のようなもの。自然法則として扱うよりも歴史を知る方が理解への近道。2019/05/29

さっとん

10
全てを市場で覆うことはできない。なぜなら、市場が成立するための条件(教育や社会保障など)を市場のなかで生み出すことができないから。少なくとも今のシステムではそうなっている。本質的には国家が行なっているのは、国民の必要なものを市場によらず、全員からお金を徴収し、多数決でお金の使い道を決めるという方式。その役割を担うのが国家である必要はなく、情報技術が発展した現代では、より小さなコミュニティごとにお金を集め、最適なお金の使い道を投票できる方が理想的な気もする。2019/05/07

hk

10
産業革命はブリテン人の高すぎる賃金がトリガーだったというのが本書の勘所だろう。①賃金が高すぎると資本側に利潤が出ない⇒生産性を飛躍させるイニシアティブ(動機)が昂じる⇒イノベーションの必要性 ②賃金が高ければ国内に潤沢な購買力が生まれる⇒目利きの消費者によって高品質で安価な製品というニーズが強まった⇒ブレークスルーの必要性 ①②の相乗効果によってブリテンで産業革命が先行したという理路だ。ここからアナロジカルにみれば、実質賃金がピークアウトしてしまった現下の先進国では技術革新は起こりにくいという事になるが…2016/04/05

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