集英社文芸単行本<br> 救命センター カルテの向こう側

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集英社文芸単行本
救命センター カルテの向こう側

  • 著者名:浜辺祐一【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 集英社(2016/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087716443

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内容説明

シリーズ累計115万部突破! 現役医師が描く、救命センターの知られざる人間ドラマ。一人暮らしで倒れているのを大家に発見され、救命センターに運び込まれた60代男性。家族がいるのかもわからないまま、重症で意識が戻らない――(「孤独死」)。喉とみぞおちを刺され、大量出血で運び込まれたが一命を取り留めた老人。意識が回復して発した言葉は、「妻を殺した」――(「刺創」)。老親への家庭内暴力、孤独死、介護疲れからの無理心中…。救急医療における「最後の砦」である救命センターにも、高齢化の波が押し寄せる。30年にわたり生死の境目を見続けてきた現役救命医が本音で綴った「命」を巡るメッセージ。

目次

プロローグ
孤独死
刺創
リピーター
同意書
錯乱
蘇生術
レセプト
越境
終末期
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

detu

53
『カルテの向こう側』言いえて妙である。この国の抱える救命医療の理想と現実のギャップを救命救急現場の先生からの忌憚のない話の数々。「本当に救急が必要な患者なのか?」深い意味がある。救急搬送など必要ない軽度の患者、又もはや生存の可能性のない患者、またこれ以上長生きが必要なのかと思われる患者など。命とは何か、生かすという事はどういうことなのか。「心肺停止の人じゃなくて土左衛門だったの?」もうすでに息切れているのである。この言葉だけを聞けば誤解も生むだろう。現場は少ない人手と限りある設備で必死にやっている。続☆ 2016/08/24

きさらぎ

51
救急医療の現実にジレンマを感じる医師の姿が浮き彫りになっている。”たらい回し”と一方的に悪く言われる救急搬送の問題だけど、利用者のエゴ(救急車をタクシー代わりに利用する患者とか)により、本当に緊急の手当てを必要とする患者を後回しにせざるを得ないとか…。こういう現実を声高に訴えて、救急車を有料にするしか手立てはないと思う。文字通り”カルテの向こう側”にある医師たちの奮闘と苦悩が報われて欲しい。2016/03/27

宇宙猫

35
★★★★ 救命救急センターの部長先生が、現場で起こっていることを書いた本。救急に押し寄せる高齢化の波や安易な救急搬送など、大変なのはなのが良く分かる。でも、東京はオリンピックができるくらいお金があるんだから、拠点は増やせるのではと思ってしまう。2016/06/18

すだち

32
救命救急センターで働く医師のエッセイ。こんな修羅場が日常では体力、精神力、判断力もろもろ消耗するでしょうね。患者は助けてほしいと家族に思われる人ばかりではなく。不倫夫の一件はコントのよう。「人間の業の吹きだまり」というのも頷ける。終末期の問題は悩ましい。患者が加害者ということもある。医療は有限。少なくとも身勝手な理由で医療を浪費するのはやめて。2022/02/05

かいゆう

26
「救命救急医療」の適応か、「終末期医療」の適応か…。寝たきりの人の急変は?超高齢者は?救命救急センターの適応、不適応の線引きが難しい。私自身は治療にあたった若い先生たちと考えが近いけど、部長ともなると冷たく感じる。現実を見るとそうは優しくいかない。限界がある中で、受け入れ体制を整え、命を救うには、どこかで線引きが必要。救急車の利用、どこまでの処置をするか、生かせるのが幸せか、静かに眠るのが幸せか、命を前に、助けるってシンプルな事ではいけないのかと、読んでいて「う〜ん」と唸ってしまうような事ばかりだった。2016/12/12

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