講談社学術文庫<br> 美学

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講談社学術文庫
美学

  • ISBN:9784062923392

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内容説明

「美学(aesthetica)」という概念を創始し、後世に決定的な影響を与えた西洋の古典、待望の全訳。ライプニッツとクリスティアン・ヴォルフの影響のもと、フランクフルト大学で行われた講義を基にしてラテン語で書かれた本書は、人間の認識を「悟性的認識」と「感性的認識」に分け、後者を扱うのが「美について考察する学」、すなわち「美学」だと明言した。あらゆる美学(エステティック)は、ここから生まれた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

69
書店で本書を見掛け、大学の一般教養で受講した「美学」を想い出しました。数日後、図書館の新刊コーナーで寂しそうにひっそりと佇む本書を見つけ、私が借りなければ誰が借りるという使命感で読むことにしました。西洋哲学・思想史をベースにした抽象的な内容のため、私には到底理解できませんですが、挫折することなく完読しました。個人的には、美学とは美的要素を有する素材をいかに完全な美に近づけるかという概念だと考えています。原石を磨いて光り輝く究極のダイアモンドにするイメージです。ここ数年で読んだ一番ぶ厚い本となりました。2016/03/07

ころこ

45
アフォリズムになっていて何となく読み易いが、本書の参照箇所へ飛んだり訳注を使いこなしたりとなると、読みこなすのは難事業だろう。小田部胤久『西洋美学史』ではライプニッツの章に収録してあり、カントと随分離れたところに位置している。しかしライプニッツも著者も作品の良し悪しの理由は言語化できないという説をとって、美のありどころを混然とした認識に求めた。感性の学としての美学をギリシャ哲学から引いていて、アリストテレスやホラティウスなどの修辞学への言及が多いのは、時代による芸術や美への認識の差として大きな問題が残る。2023/11/09

鏡裕之

6
『美学』という概念を初めて生み出し、すべての『美学』の元、始まりとなった記念碑的著作の翻訳。学術文庫で手に入るのは、実にすばらしいこと。まさに知の遺産。美学と聞いて多くの人は「美とは何か?」について書かれているのではないかと考えてしまうが、本書の中心的テーマは、正しい美的認識(感性による認識)とはどのようなものか、そして正しき美的認識をする人とは、どういう人なのか。至るところにラテン文学からの引用が散りばめてある。著者の博覧強記ぶりはよくわかるが、いささか衒学的すぎて、衒学嫌いにはうんざりの一冊。2016/03/16

有沢翔治@文芸同人誌配布中

5
> 18世紀の哲学者、バウムガルテンは美学という学問分野を創設した。 もちろん、美についての考察は彼以前においても存在したが、他の学問分野との関係で問うたのである。感覚・悟性との関わり、理性などとどのように統合されるのか。美的感覚は生得的なものか後天的なものかなど。  これらの議論はヘーゲルやカントにまで受け継がれることとなる。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51522657.html2022/01/21

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