内容説明
グローバル経営に不可欠なデータ管理基盤の構築法を徹底解説
グローバル経営管理の観点で見たとき、国内外の拠点から日々収集されるビッグデータの価値を最も左右するのは、実は高速なデータ処理技術でもなければ統計分析スキルでもありません。「A商品1個当たりの粗利が少ない国はどこか」などの、横串を刺した集計・分析を行うには、まず「データのかすがい」が不可欠なのです。
これに相当するのが「マスターデータ」です。このためには「『商品1個』とは何を意味するのか」などの業務用語とデータの定義をグローバルでそろえていく取り組みが必要です。
国内トップレベルのコンサルティングファームが、味の素・アシックス・花王といった日本企業の先進事例を基に、マスターデータ管理(MDM)のノウハウを書き下ろしました。
≪目次≫
【第1章】 データ活用の「おや・まぁ・へぇ」
[1-1] 世の中に溢れ始めたデータ
[1-2] データを有効に活用しきれない企業 ほか
【第2章】 IT基盤構築に取り組む先駆者
[2-1] マスターデータ管理のプロフェッショナルとは
[2-2] 「マスターデータ管理は経営判断をサポートするもの」
…味の素 監査部 内部統制評価グループ 専任部長 西川 一哉氏 ほか
【第3章】 マスターデータ管理プロジェクトへの取り組み方
[3-1] プロジェクトの全体像
[3-2] フェーズ1 ~企画~ ほか
【第4章】 マスターデータ管理を実践した企業の10年後
[4-1] それから10年後 ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
牧神の午後
7
マスターデータマネジメントというのはシステム部門は必要性を大いに理解するのだけど、ユーザ部門・経営層を説得するのが難しいシステム案件の一つ。実際、その部分は本書でも教科書的なことしか書かれていないのはやむを得ないところか。ユーザ企業のデータ管理者のかたがたの言葉あたりにヒントがあるのか?とも思うのですが、これも結局は問題意識の高い交野言葉なもんで、そのままじゃ使えない。いったんそこを乗り越え、プロジェクトが立ち上がれば、あとの進め方はそこそこ示唆に富んではいるのですけどね。小説仕立ては個人的に??ですが。2014/04/30
Mattover
2
MDMについて事例も含めてわかりやすく解説してくれている良書。参考になった。2023/02/20
さーや
2
マスタ管理PJの各フェーズでやるべきことについて詳しく説明されていた印象。 マスタ整合の重要性についてはちょっとITかじった人なら共通意識として持っているので、「マスタの重要性がいかに高いか」ではなく、各フェーズで決定するべき事項(これをやらないと後でコケる可能性が高い)を記述していたのはよい戦略だと思う。 マスタ系PJに参画する機会があれば進め方について参考にしたい2018/12/05
かわチラ
0
マスターデータ管理の深遠さをストーリー仕立てで分かりやすく解説した本。IT戦略、とうたっているが、内容のほとんどはマスターデータの統合、管理におけるプロジェクトの進め方のポイント。2016/05/22
Kentaro
0
データをもとに経営の意思決定をするとっても肝心のデータの定義がバラバラだと国内外の関係会社のデータを集約して意思決定に繋げることは出来ない。それをいかにして進めるべきかを先行して取り組んできた味の素、アシックス、花王の三者のキーパーソンのインタビュー内容も加味しながら解説したものでした。2017/01/02