内容説明
明日には明日の風が吹く!
猫はいつだって、「人生何とかなるよ」と語りかけてくれた。三〇年以上よりそってきた猫たちとの生活を綴る、感動のエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gummo
45
20歳で初めて猫を飼ってから、30年以上にわたる猫との付き合いを綴ったエッセイ。強力な「猫運」を持つ北尾さんのもとには次々と猫がやってくる。特に美猫かあちゃん一家との出会い以降が面白い。猫好きには楽しい1冊。解説は角田光代さん。★★★★☆2015/09/01
saga
33
ここにも猫バカ、いや猫好きな物書きがいた。初期の頃の猫との付き合いは野良に餌を提供する猫好きの人というスタンス。しかし第10章「猫をぼくらに売り込む不思議な猫」という本書の中で最も笑えるエピソードからスー(メス)を飼うことになり、やがてそこにモー(オス)が加わって猫との生活がどんどん面白くなってくる。同じ猫エッセイでも町田康さんの本と違い、猫との悲しい死別がないので楽しい気持ちのまま読了できた。モノクロのスーとモーの写真が、我が家のキジトラ(メス)と白サバトラ斑(オス)と良く似ているのも良かった。2015/06/03
ホークス
28
著者と猫の30年に渡る自伝的な交遊記。九州から東京に出てきた著者の若き日の貧乏生活は、3歳下で地方に居た自分にも分かる。とにかく金欠で友達や諸々の人の世話になった。当時、猫は人の側に居ながら、全面的には依存しない半野生動物の様だった。著者の若き日と猫の在り様がリンクして、著者の猫愛につながっている様で面白い。本書の猫たちは、人間との距離感というか「人間観」に個性があり、それは変わることもあれば変わらないこともある。幸福か不幸かは、人の場合と同じく一言では言えない。著者はその個性にも等しく愛情を持って語る2017/08/15
ネムコ
27
「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」など裁判エッセイで顔なじみだった北尾さん。今回は20歳からの猫との付き合いをまったりと書いたエッセイ。良質で、読みやすい。死に別れるシーンがなかったのがありがたい。彼の庭で幼少期を過ごした猫が、独り立ちしてから「猫飼いませんか?」と猫の斡旋にくる話が微笑ましかったです。2015/05/16
ひつじとうさぎ
20
羨ましいくらい猫運炸裂の、トロさんと猫ちゃんたちとの30年間を綴った、ほのぼのとしたエッセイ。トロさんちの飼い猫、スーちゃん・モーちゃんが可愛すぎる!今すぐ猫と暮らしたくなる一冊。解説は角田光代さん。2015/10/11